無の空間「余白」がもたらすパフォーマンス力

無の空間「余白」がもたらすパフォーマンス力

働きすぎる人の仕事は理解されにくいのと同様で、ぎちぎちに詰まり過ぎた文章も、これまた理解されにくい。

車で走行中、十分な車間距離をキープして走らせないと衝突します。

あまりにも早口で話されても、聞き取るだけで精一杯となり、話の内容は理解できません。

物があり過ぎる部屋の中は、それだけでストレスがたまってしまう事もあります。

文章とは、文字の羅列ではなく、連なった文がまとまり、内容をあらわしたもの。

ある程度の文字の大きさも然ることながら、ある程度の「隙間」がないと、文章が持つその内容は伝えにくくなってしまいます。

さて、不特定多数の方に読まれるであろう、Webサイトの文章は、視覚的に誰もが読んでもらえる、見やすさや読みやすさなど、「レイアウト」は重要な項目の一つ。

「レイアウト」とは、直訳すると配置、配列と訳されます。 また、設計という意味もあり、表面的な並び方にみならず、視覚的な要素、機能的な要素、構造的な要素までが関係しています。

今回は、レイアウトデザインの中でも重要な要素の一つ、『余白』の効用について綴ってみました。

余裕を与え、伝えたいことを伝える

余白とは何もない「無の空間」ではありますが、余白を設けることで、視覚的に余裕を与える効果があります。

コンテンツとコンテンツの間にちょっとした空間があれば、読み手は自然に目を休められ、途中で読み飽きてしまうのを防いだり、重要な情報を見つけてもらいやすくなります。

見栄えが良くなるのはもちろんですが、私たちの脳が新しい情報を処理する過程にも影響する。

たとえば、小さなスペースに多くの文字や画像が詰め込まれていると、脳は疲れてしまって認識力が低下し、最悪の場合、内容を処理できなくなることもある。

よって、余白は「無の空間」ではあるが、読み手に余裕を与える大事な要素です。

映える。

余白は、視覚的に余裕を与えるだけでなく、伝えたいことや主張したい言葉などがより「映える」効果をもたらします。

通常、強調したい文字は、太字にしたり、下線を引いたり、罫線で囲んだりしますが、広く設けた余白に囲まれた言葉は、洗練された上品さを与えます。

身近なモノで例えますと、雑誌に添えられているイラストやポストカードなど、余白が多いものほど余韻があって印象に強く、パッと目を引く力もあります。

料理の盛り付けでは、お皿に山盛りにするのもボリューム感があって美味しそうではありますが、余白をもたせて盛り付けると品が出ます。

インテリアでも、余計なものが何もない空間に置かれた花や植物は、色の美しさや香りまでがハッキリと伝わってくるかのようです。

普段は特別に意識していなくてもいたるところにある「無」の空間。

そこには何もないのではなく、想像することで完成させて楽しむための、「余白」を作ってきたからなのかもしれません。

「会話」する余白のパフォーマンス力

さて、余白は視覚的に余裕を与え、そして伝えるべき要素をより映えさせる効用があると説きました。

ですが、余白の効用はそれだねに終わりません。最も重要だと思うのが、「間」

文章においてのリズム感に絶妙なタイミングを図る「間をとる」効果があるのです。

よく漫才やお笑いのトークで重要なのは「間」であり、絶妙な「間」の取り方次第で面白さが決まるとされています。

漫才だけでなく、プレゼンや講演などの演説、普段の会話においても、いい感じの「間」を意識すると思います。

これらと同様、Webページの余白は、この「間をとる」役目を果たします。

例えば、ランディングページの構成要素は、ファーストビューで、商品を使うとどうなるのか?ユーザー の変化を訴えかける「誘起」に始まり、商品が持たらす「結果」にフォーカスしたコピーを記す。

そして、なぜその結果を得られると言い切れるのか結果に至る「証拠」の提示、他の使用者の口コミや感想で「共鳴」を得る。

商品を今買わなくてはならない理由、買って絶対に損しないと言い切れる「保証」といった一連の流れを演出するストーリーも、各パーツ間の「余白」をいかに設けるかで訴求効果も違ってくるはずです。

では、余白がもたらす「3つの間」を説明しましょう。

期待させる余白の間

「次はどうなる?」と、一瞬気になっているタイミングで一呼吸を置く「間」。これにより、さらに続きを気になってしまうため、読み手の心をぐっと引き寄せる “ 焦らし ” 効果を与えます。

理解してもらう余白の間

読み手がまだ理解していないのに次々と話が移ろってしまったり、難解な用語を記した時には特にこの「余白の間」を設け、読み手が頭の中で整理する一瞬の間を与え、待ってあげることが大切です。

印象づけのための余白の間

話のオチがついたあと、あえて少し間をとる事で読み手は色々なことを想像してくれます。それによって心に染みわたり、全体の印象が実に味わい深い奥行きのあるものになるのです。

「余白」には、これだけの効用があることを知っていただけたでしょうか。

自分が書いた文章を読み返した時、十分な余白は設けられているか、「間」の取り方は絶妙であるかを意識してみてはいかがでしょう。