言葉選びで「伝わり方」は大きく異なる

言葉選びで「伝わり方」は大きく異なる

ほんの少しの言葉の違い、表現の違いで、相手が受け取る印象は変わり、購買意欲までもが変わってしまいます。

反応の高いコピーを書こうと思えば、マーケティングや心理学など多岐にわたる知識や技術が求められます。

文章表現そのものについて、「もっと、お客さまが食い付くような言葉は他にないか?」 「もっと、お客さまが反応する表現は他に無いか?」を考えぬくことは非常に大切なこと。

ただ、ほんの少しの事で反応が上がるということは、ほんの少しの事で反応を損しているということもあるという事です。

文章で「伝えたい」目的を成就するには、素材である「言葉」選びがいかに重要であるかが分かります。

具体例をいくつか取り上げてみたので、伝わり方の違いを理解しよう。

「言葉選び」でこれだけ伝わるイメージが異なる

「スリムで手になじむスマートフォン」
「厚さ7.4mmの手になじむスマートフォン」
「薄さ7.4mmの手になじむスマートフォン」

厚みを表現する際、“スリムなスマホ”をウリとするならば、「スリム」では、どのくらいの厚みなのかが分かりません。

「厚さ7.4mm」と「薄さ7.4mm」とでは後者の方がスリムさを感じ取れます。

他には、「重さ1.5kgのノートパソコン」よりも、「軽さ1.5kgのノートパソコン」と表現した方が「軽い」が伝わります。

「ポケモンが大好きなお子さんのお母様へ」
「ポケモンが大好きなお子さんのいるお母さんへ」

これは、アリコジャパンのCMで用いられていた「呼びかけのフレーズです。」

前者の「ポケモンが大好きなお子さんのお母様へ」では、単に「奥様方へ」という一条件的な表現ですが、

後者の「ポケモンが大好きなお子さんをお持ちの」+「お母さんへ」という2つの条件で呼びかけると、該当者をより振り向かせる効果があるとされます。

現在のほとんどの子どもはポケモン好きだとされるのであれば、そのお母さん世代を的確に振り向かせることに成功したフレーズといえる。

「セルフケアマスター養成講座DVD」
「セルフケアマスター養成講座DVDプログラム」

「DVD」だけではなく、「DVDプログラム」と付けることで、しっかりした教材であるというイメージが伝わり、中身も含めた価値を感じてもらいやすくなります。

さらに、初心者向けのDVDを表現するなら、「DVDコンプリートパック」または、「DVDスターターパック」を付け加えるだけでより初心者が取っ付きやすいイメージが伝わります。

「ダンスレッスン体験会を開催」
「ダンスレッスン見学会を開催」

前者の「体験会」となると、「何かやらなくちゃいけない」という印象をもちませんか?

一方後者の、「見学会」といわれると、「見ているだけで良さそう」と感じ気が楽になると思います。

このように言葉を少し変えるだけで、参加者の気持ちのハードルを下げ、より気軽に申し込んでもらいやすくなります。

「あなたの努力は誰にも負けない!」
「あなたの努力は誰にも負けない!誰にも!」

「本日は肉が安い!」
「本日は肉が安い!安い!」

同じ言葉を繰り返すことによって、言葉の表現をより強く伝えるための方法です。

すぐにできる簡単な表現方法だが、その効果は意外と大きい。しかし、乱用は避けましょう。使いすぎるとかえって効果を失いかねます。

伝わるは「イメージ」で決まる

伝わる言葉を選ぶコツは、言葉の表現でどんなイメージが浮かび上がるかがポイントです。

買い手は、キャッチコピーの言葉を買うわけではなく、言葉の意味を頭の中でイメージ(視覚化)して行動を決定します。

それは、鮮明にイメージできる事は行動するが、イメージできない言葉の表現だと行動しないということでもあります。

ほんのひと手間、イメージしやすい工夫を凝らすだけで、興味をもたれる文章に変化します。

文章を読んだ人に、どんな「イメージ」をしてもらいたいか。文章を書くときには、読む人の立場に立って、想像力を働かせましょう 。

「形容詞」の使い方に注意しよう

さて、いくつかの事例をご紹介しましたが、どうすればより伝わり、より行動へと導く事ができるか?

まず、「形容詞」はなるべく使わないで、ハッキリとした表現に置き換えることもポイントです。

形容詞とは、「すごい」「大きい」「沢山の」「美味しい」・・・など、書き手としては便利な表現ですが、読み手にしてみればどうか?

「すごい」→何がどうすごい?

「大きい」→どの程度大きい?

「沢山の」→どのくらいの数?

「美味しい」→甘いのか辛いのか?

というように、便利な形容詞はハッキリと伝わりきれない事もあります。

最近では、「すごい」事を「ヤバい」という表現を良く見かけます。この「やばい」という言葉に変化をもたらしたのが、1980年代とされる。

1980年代では、若者たちは「怪しい」「格好悪い」といった否定的な意味で使っていた。

しかし、1990年代に入ると「凄い」「魅力的」といった肯定的な意味で若者の間で多く使われるようになり、2010年代では平仮名表記から「ヤバい」「ヤバイ」「ヤヴァイ」とカタカナ表記でされるようになった。

実は、若者言語とされる「ヤバい」は、何も使ってはいけない、使用禁止とはされていません。実際、会話中では「これ、ヤバくね。」とか多くの方が使っています。

しかし、書き言葉の文章で使用する場合は注意が必要。なぜなら、人によっては、ポジティブな意味でもネガティブな意味でも両方の意味で使えるからです。

話し言葉で使うなら伝わるでしょうが、文章で記すと、「ヤバい」は危ない・不都合といった本来の意味合いだと受け止める方もいます。

例えば、『「ヤバい」という表現はヤバすぎてやばい!』と記したらどう感じますか?

「ヤバい」という言葉がいいのか悪いのか?読み手によっては180度違った受け止め方をしてしまいます。

他にも、感嘆詞にも強調にも使える「まじ」、本気とも冗談ともつかない「うざい」、小さいものも愛らしいものもひっくるめた「かわいい」。

いずれも複数の事柄をひとつの言葉で表現できる便利な言葉ですが、読み手に「伝える」を重視するのであれば、なるべく控え、よりわかりやすい表現を記しましょう。