変遷し続ける、テクノロジーの進化

『テクノロジー』とは、 科学技術。また、科学技術を利用する方法論の体系をいう。 その科学の技は、不死への欲求を生み出し、その一方で地球消滅を脅かしてもいる。
急成長を続ける人工知能技術、ソーシャルメディアの隆盛等、テクノロジーは人類にとって脅威であると同時に、音楽やテレビ、そしてスポーツ等の分野において、かつてなくエキサイティングな変革をもたらし、天地万物全てにおいて、変遷の過程を跡づけた。
テクノロジーを基軸とすることが重要な理由として、その変化が社会に与える影響が大きいということに加えて、進化のスピードが速くなっているということがある。
人々の生活やビジネスの競争環境の激変は、昔から何度も繰り返されてきました。
しかし、その時代を生きた人にとって、その変化は「比較的ゆっくりではあるけれど、確実に浸透していく」というスピード感だった。
ある日突然、往来から馬車が姿を消して自動車が走るようになったわけではない。
しかし、現代のテクノロジーの進化スピードは、人の意識の変化が付いていけないほどに速くなっているのだ。
さて、私達人間の暮らしや生活、そして価値感さえも大きく変化し、その革命ともいえる世の中を紐解く手がかりとなるのが「技術革新の変遷」だ。
ITとは?
ITは、コンピュータやインターネットを示すだけでなくセキュリティや情報処理なども含み広義的な意味で使われます。
今のITを知るには、コンピューターの歴史を振り返るとわかりやすいので、ザックリとその流れを見てみよう。
戦争目的で開発された世界初のコンピューター
電子計算機「ENIAC(エニアック)」は、今のパソコンみたいに手に持てるほど小さなものではなく、すごく大きな装置でした。
真空管という部品が使われていて、その数はなんと18000本も使われていた。
また、体積80立方メートル(25メ-トルのプール半分くらい)、重量27トン、消費電力は140キロワット。
東京タワーを1時間ライトアップした時の電力が、約140キロワットなので、みんなが使ってるパソコンを約1,000台を同時に起動するほどの電力です。
コンピュータは日本語では電子計算機.最初のコンピュータはなにかという点については様々な議論があるのですが、一般的には1946年にペンシルバニア大学で公開されたENIACとされている。
ENIACは弾道計算のために開発されたもので、人手では時間のかかる計算を高速に行えるようにすることを目指したまさしく計算機だった。
それまで計算機は歯車の組み合わせなど機械的な仕組みで作られていましたが、開発者の一人であるモークリーが真空管を用いることで故障も少なく高速に計算を行える計算機ができるというアイデアを得て、電子計算機の誕生となったわけです。
プログラム内蔵マシンを開発した天才数学者「ノイマン」
実は先ほど紹介した「ENIAC(エニアック)」という大規模な電子計算機は、難しい計算やめんどくさい計算をしてくれますが、その機能は実に単純。
ノイマンが、開発した史上初のプログラム内蔵計算機は、1949年ケンブリッジ大学で開発された「EDSAC(エドサック)」と呼ばれるコンピューターで、この「EDSAC(エドサック)」こそが、今日の私たちが使っているパソコンの原型だと思ってください。
コンピュータの命令もデータもいっしょに記憶させたノイマンが作ったプログラム計算機は、まさに一般企業がコンピュータに触れるキッカケとなる画期的なものだった。
やがて、売上の集計やシミュレーションなどビジネスの世界にコンピュータを持ち込んだのが、「IBM社」でした。
ハードウェアの時代からソフトウェアの時代へ
コンピュータが登場したばかりの頃は超大型設置で、大会社の気化業務システムなどにのみ使用されていた。
また、インターネットという概念すらなかった時代からすでに銀行などの大手の大会社はコンピューターを使ってお金や顧客データを管理してました。
コンピュータで情報を管理できる環境は非常に高級なものだったのです。
極端に言えば、一般人にとってコンピューターや情報産業は無縁でした。
それに変化をもたらしたのが、プログラムという「ソフトウェア」の開発なのです。
コンピュータは、機械それだけ(ハードウェアだけ)では、目的をもった仕事をすることができません。
目的とする仕事ができるようにするには、命令を組み合わせて一連の計算手順を構成する必要がある。この組み合わせた命令の集まりを「プログラム」という。
どのようなコンピュータでも、算術演算のための命令としては、加減乗除という四則演算しかなく、微分方程式とか積分といった高等数学の問題も、この四則演算に直して解く。
ソフトウェアという用語は、本来はプログラムの総称であるが、現在では、コンテンツや文書までもさすことが多いでしょう。
パーソナルコンピュータの誕生
コンピュータは小型化と価格下落が進み、やがていろんな企業が導入し始めた。
そこで、コンピューターの歴史に大きな変化をもたらしたのが「パーソナルコンピュータ」の誕生です。
遡ること1974年、アメリカのMITS社が開発・販売したのは「Altair 8800」と呼ばれるパーソナルコンピュータ(個人用のコンピュータ)。
一般消費者向けに販売された最初期の個人用コンピュータであり、「世界初のパーソナル・コンピューター」と呼ばれています。
インテル社のマイクロプロセッサ他、 コンピュータを作るのに必要な部品一式が「キット」になっていて、 電子部品を一個一個半田付けして組み立てなくてはならなかったといいます。
本体正面のパネルにはスイッチと ランプ がついているだけで、 2進数の 0 はスイッチを OFF、 1 は ON にして、 直接 2 進数でプログラムやデータを入力するという極めて単純な構造の装置だった。
その、多きな変化は、あのアップル社が販売した「Mac(マック)」こと、「Macintosh(マッキントッシュ)」のヒット記録です。
1979年、 我が国、日本では、NEC社(当時は日本電気)が国内初のパーソナルコンピュー「PC-8001」を発売しました。
キーボード付きの本体に、 CRT ディスプレイ、 プリンタ、 フロッピーディスクドライブ、 カセットテープレコーダ などを接続することができ、コマンドを入力して操作するというのが一般的な使い方だったとされます。
「PC-8001」は 2 年間で12万台を出荷するヒット商品となり、 日本のパーソナルコンピュータブームに火をつけた。
それに続き、1995年マイクロソフト社がWindows95をリリース。
1990年のDOS/V登場以降で、当時は「PC/AT互換機」が普及した。
インターネットの起源と普及
インターネットの始まりは、1960年代にまで遡ります。
当時、アメリカでは、核による攻撃にも耐えうるコンピュータネットワークを必要としており、「パケット交換ネットワーク」の開発に着手した。
1969年には接続実験が開始され、最初の広域パケット交換ネットワークであるで「ARPANET(アーパネット)」が誕生しました。
これが、今のインターネットの起源です。
インターネットが普及した大きな理由は、1991年にティム・バーナーズ・リーによって開発された、ホームページの仕組み、「WWW(World Wide Web、略してWeb)」でした。
この「WWW」は、多くのコンピュータにある様々な文書・画像などをリンクという概念で結びつけるホームページサービスで、これが、インターネットの爆発的な成長の一つのきっかけとなりました。
ちなみに、米「Amazon.com」がサービス開始は1995年、Yahoo! JAPANがサービス開始は1996年、Google検索が登場したのは1997年、「Amazon.co.jp」日本語サイトを開設したのは2000年である。
パソコン、携帯電話が巻き起こした「 IT革命」の到来
今世紀が始まった当初、急にパソコンメーカーは増えてきて、同時にソフトウェアを作る会社も次々と立ち上がった。
「IT革命」とは、個人がパソコンを使い始め、インターネットにアクセスできるようになったことで、あらゆる情報を容易に取得でき、また個人間のコミュニケーションやさまざまな手続きを可能としたまさに革命と呼ばれる社会現象をいいます。
それまで手紙や電話でしか、人と連絡を取れなかったし、調べものは書店や図書館に頼るしかなかった。それがパソコン1台で済むようになったのです。
今では一人一台が当たり前になった携帯電話ですが、その誕生は今からちょうど30年前の1985年にさかのぼります。
この間、国内で使われる携帯電話は端末自体の姿かたちを変えながら、ネットワークのシステムだけでなく、私たちのコミュニケーションの在り方までも日進月歩させてきました。
1985年、NTTから一般向けに初めて誕生した携帯式電話が、「ショルダーフォン101型」。
日本の携帯電話の“あけぼの”であったこの端末は、肩掛けベルトのついた通信端末を持ち歩くスタイルのもので、携帯とはいいつつも重さは実に3kg(赤ちゃん一人分の重さくらい)もあったそうです。
1987年にはNTTから日本初のハンディタイプの携帯電話「TZ-802型」(NTT)が登場。
重さは900gと少しコンパクトにはなりましたが、現在のスマートフォン(110g~170g)に比べると大変な重さでした。ちなみに、この端末の最大連続通話時間は60分。使用環境によっては500分以上の連続通話が可能なものも存在する現代から比べると、その短さに驚きます。
1990年代になってようやく携帯電話のスリム化が実現!
1991年、NTTが「ムーバ」を発表し、携帯電話は230gにまで軽量化に成功。
しかし1990年代半ばまでは圧倒的な「ポケベル」時代だったため、携帯電話自体は多くの人々にとってまだまだ遠い存在だった。
というのも、1994年まで携帯電話の端末は、あまり知られていませんが、「レンタル制」だったのです。携帯電話が勢いよく普及し始めたのは今のような「端末買い取り制」が始まってからなのです。
1990年代は携帯電話の普及の下地が整った期間だったのに対し、2000年代は携帯電話そのものの機能性が飛躍的に進歩した時期で、いわゆる「ガラケー時代」。
クラウドの進化とスマートフォンの幕開け
そして、2000年代後半には、それまでの携帯電話のスタイルに新たな潮流が生まれます。
「スマートフォン」の登場です。
2007年、Appleが初代「iPhone」を発表し、その翌年にソフトバンクが日本で初めてのiPhone端末となる「iPhone3G」を発売。
2009年にはNTTドコモが初の「Android(アンドロイド)」搭載端末を発表。
Yahoo!やGoogleといったIT企業はこうした流れを受けて台頭してきました。
そして、昨今ではパソコンの時代は徐々に終焉をむかえ、今はスマートフォンがデバイスの中心になりつつあります。
一人ひとりのパソコンがインターネットにつながり便利になった。
しかし、結局パソコンのある場所に行かないと何もできないのは不便です。
じゃぁ、どうすればいいか?
会社や家にいなくとも、インターネットが使えるようにすればいい。
そこに出てきた発想が、データの「クラウド化」です。
それまでは、個々のパソコンにあらゆるプログラム(ソフトウェア)やデータを保存していました。
それをインターネット上に移してしまえば場所を選ぶ必要がなく、またデータを他人と共有することで情報のやり取りが一気に効率化されます。
このような構想を随分前から構想していたのが、スティーブ・ジョブスと呼ばれるスマートフォンの発明者です。
ジョブズ氏は、コンピュータが、私たちの仕事または家庭環境に存在する“新しい物体”になることを予言していたといわれています。
私たちにとってなくてはならない存在になりつつあるスマートフォンも、このコンピュータの小型化の流れの延長にあります。
「スマホ」と聞くとその名前から「ネットにつながった電話」とイメージしてしまいがちですが、コンピュータの進化の文脈から見れば「電話機能の付いた超小型コンピュータ」と捉えるべきでしょう。
あらゆる物体に浸透するインターネット「Iot」
IoTは「Internet of Things」の略で、モノのインターネットと呼ばれるように、これまではインターネットに接続されていなかったモノが接続されることを意味します。
例えば、センサー機器や建物、車、コーヒーマシンといったモノが、ネットワークを通じてサーバーやクラウドに接続され、モノを通じて収集されたデータを解析したり、ほかのサービスに連携させることでより高い価値を創出し優れたサービスを生み出すことが可能になると言われている。
超小型化したコンピュータにセンサー技術の発達が加わった今、あらゆる物体をネットに接続することが可能になりつつあります。
携帯電話(スマホ)の次は、時計(いわゆるスマートウォッチ)、テレビ(スマートTV)、家(スマートハウス)、果ては道路まで。
すべての物質がインターネットとつながり、世界中のモノとモノ同士が通信しはじめています。
実はこのITの普及は、電気の普及とまったく同じプロセスにある。
電力は、電球からはじまり、最終的には発電所の送電により家の中のあらゆる物体とつながり、動力を持つに至りました。うちわは扇風機になり、ほうきは掃除機になりました。
インターネットもまったく同じプロセスを経て、あと数年で、電気と同様に社会の隅々にまで完全に浸透し、空気のような存在となるかもしれません。
実際にあらゆるものがインターネットとつながることで、私たちの生活にはどんな変化が起こるのですか?
たとえば、家やオフィスでは電気のオンオフから室内の温度調整までクラウド上のコンピュータが生活のパターンを学習して、自動的にやってくれるようになるでしょう。
さらには、腕時計がネットにつながれば自分の健康状態をリアルタイムで把握して、異変があればコンピュータが教えてくれ、それぞれに適した健康維持の手段までもシステムから教わるといったことが可能になります。
膨大なデータ収集ができると、その延長にあるのが、Iotの「意思決定の省略」です。
休日のデートプラン、最も相性がよい転職先、結婚相手の選択、はてはどこに資本を投下するべきかという経営判断まで、すべてのシーンにおいて、よい結果をもたらす確率の高い行動を、システムが教えてくれるようになります。
まだ見ぬ未来はもうすぐそこまで来ているのです。
AI(人工知能)という掃け口
インターネットが様々なデバイスとつながっていくこと、それはこれまでデータとして計測できていなかったあらゆるデータの収集が可能になることを意味します。
あらゆるモノがインターネットにつながれば、そこから発生するデータは膨大な量になります。
これらの処理しきれない膨大なデータは数年前から「ビッグデータ」と呼ばれるようになり、ビジネスの効率化につながるのではと期待されました。
ただ、実際にはビッグデータを活用して価値を生み出せている企業は多くありません。取り組みたいと考えているものの、どうしたらよいかわからないというのが現状の。
しかし、ここに来てビッグデータはある方向に活路を見出しました。
それが人工知能(AI)です。
私たちが無意識で行っているパターンの学習を機械、つまりAI(人工知能)にさせようと思えば、膨大な量のサンプルデータが必要になります。
かつては何百何千のサンプルをかき集めるのにも非常にコストがかかりました。
さらにそれを集計して大量の計算処理を実行し、パターンを抽出するとなると、さらに膨大な手間がかかります。
しかし、ここ20年のインターネットの急速な普及により、個人がネットを介して双方向にアクションをするようになり、その結果サーバー上には膨大なログデータが蓄積されるようになった。
そして、同時平行でコンピュータは高性能化・小型化していき、高い計算処理能力を持つコンピュータが安価で購入できるようになりました。
このふたつの変化により、人工知能(AI)は再び注目を集めるようになる。
もはや膨大なサンプルデータを集めるのにも、それを分析しパターンを抽出するのにも、以前ほどのコストはかかりません。
ここにきて、活用されていなかったビッグデータは、人工知能という出口を見つけた。ということなのです。
あらゆる物体に宿る知性
軍事産業からはじまり商業利用へと進出したインターネットは、その後一般家庭の室内に普及し、急速な発達を遂げました。
そして、ネットは今、室内を飛び出て様々な物体につながりはじめている。
ここから確実に到来が予想されるのが、あらゆる物体に「知性」が宿る世界です。これは、モノのインターネット化のさらにもう一段階先の話です。
ネットにつながっている端末の数は、2020年までに約250億台に増加すると予測されている。
これから「スマート〇〇」と呼ばれる端末は加速度的に増えていくでしょう。それに伴い、クラウド側では蓄積された膨大なデータを学習した人工知能が、ますますその判断の精度を高めていくのであろう。
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