どっちなの?わかりづらい「多義語」について

どっちなの?わかりづらい「多義語」について

思った以上に甘かった

あの人が言っていたのとは少し違った。

さて、この文章を読んで、何を想像したでしょうか?

何かを期待していたことに対して、実はかなり的外れだった。

または、あの人に何かを助言されたが、それほど簡単ではなかった。むしろ裏切られた。

など、「見通しが甘かった」とか、「信じた自分が甘かった」という意味で解釈されたかもしれません。

ですが実際は、こうです。

この新商品の炭酸飲料は、思った以上に甘かった。

「甘さ控えめだよ。」と、あの人が言っていたのとは少し違った。

このように、「甘い」という単語でも文脈が異なるとその意味合いが違ってきます。

「僕の考えはまだまだ甘い。」

「今年のスイカはすごく甘い。」

「彼の甘いマスクにうっとしりした。」

「この包丁は切れ味が甘い。」

どうです、同じ「甘い」でも意味もニュアンスも異なります。

このように、ひとつの単語に複数の意味を持つ語のことを「多義語(たぎご)」といいます。

上記の事例の文章は、文脈からその意味を捉える事ができますが、文章の書き方によっては、「どっちの意味なの?」ってなことがあるのです。

伝える文章を書く上で、「多義語」の盲点に気付かないことがあるので注意しなくてはいけません。

「多義語」を使うとちゃんと伝わらない

多義語とは、「多くの意味を持っている語」のことだといいました。

たとえば、「立てる」。

「看板を立てる」

「泡を立てる」

「誓いを立てる」

「腹を立てる」

このように、複数の意味をもつ多義語は多くあるのですが、文脈からその意味合いは、ちゃんと伝わります。

なので、普通に使っていても、特に気にすることはありません。

ですが、多義語の中には、まぎらわしい単語もあったりするのです。

「異なる意味を持つ多義語」はやっかいもの

たとえば、「適当」という語。

この語は、「適切だ、ふさわしい」という良い意味と、「いいかげんだ」という悪い意味の2つの意味を持っています。

文章に「適当」という多義語は、使われ方によっては、「複数の意味のうち、どの意味で使われているのか分からない」場合があります。

「部長の判断は常に適当だった」

この文章内の「適当」は、「的を得ている」という意味なのか「いいかげん」という意味なのか?

「部長の判断は常に的を得ている」

「部長の判断は常にいいかげんだ」

というように、どっちの意味なのかわからないでしょう?

多義語は、使われ方によっては、「複数の意味のうち、どの意味で使われているのか分からない」場合があるのです。

もう一つの例をみてみましょう。

多義語は文章だけでなく、日常の会話でも「どっちなの?」ということがあります。あなたも次のような経験がありませんでしたか?

お母さんに「おかわるする?」、といわれたので、僕は「もう一杯」、と言った。

すると、お母さんは、「どっちなの?おかわりするの、しないの?」と改めて聞いてきました。

この文章の「もう一杯」は、「お腹が一杯で、もういらない」の意味なのか、「まだ食べたいからもう一杯ほしい」のどちらの意味なのかがちゃんと伝わってなかったのですね。だからお母さんは、聞きなおしたのです。

異なる意味を持つ多義語は書き換えよう

「異なる意味を持つ多義語」は、やっかいなもので、自分でも気づかない事がよくあります。

会話なら、どうにか説明を補足できたりもしますが、文章の場合、「どっちの意味?」ってなります。

なので、読み返してみて、異なる意味を持つ多義語を発見したら、「書き換える」のが無難です。

先ほどの例文だと、

「部長の判断は常に適当だった」

という文章を、

「部長の判断は常に的を得ている」

または、

「部長の判断は常にいいかげんだ」

に書き換える。と言う事です。

伝わりにくい単語ってあるよね

どうでもいい話なんですが、私の会社の倉庫は、A群・B群・C群・D群・F群と区分けして収納しております。(E群はもうない)

従業員同士の会話で「この○○(商品名)、何群だっけ?」と収納場所を聞かれることがよくあり、A群とかB群とかで返答する。

だけど、B群(ビーグン)とD群(ディーグン)はどうしても聞き間違えてしまうことがあります。

なので、「それ、ディーグンだよ。」「え?ビーグン?ディーグン?」ってなように、耳が遠くなったおじいちゃんになっちゃうの。

そんで、毎回毎回、こんな言葉をつけたしてます。

「それ、ディーグンだよ。」

「ダディデゥデドのディー!」って。

まいど、ですよ。毎度。口を大きく開けて滑舌よく。

おそらく、うちの会社の人たちは、プライベートでも「ダディデゥデドのディー」って説得してるんだろうなぁ。

「デズニ―ランドやない、ディズニーランドや。ダディデゥデドのディーやで。」

とか、

「テーシャツ(Tシャツ)ちゃうで、ティーシャツやで。」

「タティトゥテトのティー!」

とか、

「リポビタンDは、ダジヅデドのデー!」

言葉にするとすぐに伝わる単語もあれば、会話にすると伝わりにくい単語がある。

会話では伝わる単語も、言葉ではちゃんと伝わらない単語がある。

その一つが「異なる意味を持つ多義語」なわけ。

異なる意味を持つ多義語を使っていることに気づいたら、すぐに置き換えてちゃーんと伝わるように気配りしましょー。

ちなみに、Dの「デー」と「ディー」とか、Tの「テー」と「ティー」は多義語じゃありません。誤解なさらないように。

外来語ゆえんの「発音多様性?」かな。この件の追求はまたの機会にでも。