座ってみたり、立ってみたり。デスクワークの効率化作戦

座ってみたり、立ってみたり。デスクワークの効率化作戦

作業の効率化、生産性を考えるとき、至って誰もが思いつきそうなことを試してみます。

目標を設定する、優先順位を決める、整理整頓をする、仕事を抱えすぎない、システムやツールを有効に使う。などなど。

これらの「効率化作戦」をまとも実践すれば確実に作業効率は上がるでしょう。すくなくとも。

そこで今回は、少しだけ視点を変えた作業効率の方法を提案してみたいと思います。

一言で作業とはいってもいろいろですが、今回の内容は、主にデスクワーク中心で考えてみました。

今回のタイトルの「座らない効率」から察する通り、結論を言うと、椅子に座るのやめましょう。「立って」作業をしてみよう。ということです。

なので、デスクワークとかの、「座ってする」が前提の効率化(おそらく効率化する)作戦です。立ってする作業の効率には全く機能しないので、そこんとこよろしく。

座らないメリット

職場のデスクワークのみならず、イマドキ「ブログ」を書いたり、Webコンテンツやサイト作成など、自宅でPCにかじりついている人は意外と多い。

デスクワークって「座ってする」が基本スタイルなんだけど、目・肩・腰とかの負担は相当なモノ。

「あー、わかる。」でしょう?何でしょうか、「体を酷使する = 重労働」の公式にあてはまりそうだけど、座ったままのデスクワークには、「座り続ける酷使」という体の負担の悩みって深刻だったりする。ホントに。

作業効率が悪くなる原因に、「ダルい(しんどい)、うつろうつろしてくる(ようするに眠い)、目の奥が痛い、首がツル(首をつるではなくて)、腰にくる、お尻が・・・など、気づいたら体の不調を抱え込んで、作業がはかどらなくなった、なんて経験はないでしょうか。

作業内容の効率化をいくら考えても、それを実行する本体が「ポンコツ」では意味ないですね。

デスクワークの体の負担は、「椅子に座る」事が原因だとされている。デスクワークの体の不調といえば、目・肩・腰・首がほとんどで、「脚が痛くなる」ことはあまり聞きません。

座っているのは立っているときより「楽」だと思われがちですが、楽だと感じるのは実は「脚」だけ。座り姿勢は直立姿勢と比べ約40%近く負荷が増加し、座ること自体が体のストレスになっているとされています。

座り姿勢で足がパンパンになって「むくみ」が生じることがありますが、これも実は座っていることが原因。

座りっぱなしの状態続くと血管が集中しているヒザ裏を圧迫して血行不良を招く事がむくみの原因となります。人の血管は、主に関節が曲がる側に位置するようにっています。なぜなら伸びる側に位置すると血管が伸ばされてしまう危険があるからです。

足の血管はそけい部と膝裏の部分に集中しているのでちょうど座っている時はこの部分を圧迫してしまっている状態です。短時間なら問題ありませんが、長時間になると血液の循環は悪化し、結果むくみを招くこととなるのです。

「快適でない」イスの意外な効果

椅子(オフィスチェア)はいつも自分自身の相棒のように寄り添い利用するもの。

では、そのオフィスチェアに長時間座っていても負担が少なく、作業に長く集中していられるためにはどうしたらいいのでしょう?

正しい座り方を維持する?

確かに、正しい座り方をすれば体への負担が減って体が疲れにくくなるため、その分作業に集中できるようになります。

たとえば、こんな。 

  • 座面の奥まで深く腰を掛けていること
  • 背もたれに軽く寄りかかって体を預け、少し後傾した姿勢であること
  • 肩を上げず、腕が90度くらいに曲がっていること
  • 頭が前に突き出たり、顔が下向きにならないこと

いかにも。

だけど、こんな「サムライ」の人みたいなキリッとした姿勢をずっとキープできますか?

やってみるとわかりますが、「正しい姿勢を保つと体の負担は軽減するが、その姿勢をすること自体に疲れを感じる」のです。

結局、再び背中は曲がり始め、頭が前に付き出し始め、「悪い姿勢だといわれている、ダラ~とした “ ラク ” な姿勢」にいきつくのです。椅子に座っている限りは。

特に、心地よい快適な椅子ってあるじゃない。

体を包みこむような超肉厚クッション、高級感あふれるレザー生地、アームレストにフットレスト付きで、さらにリクライニング機能でそのまま眠ることもできる、そんな他の追随を許さない超高級快適椅子。

「椅子」というよりむしろ「シート」。まるで「フライトシート(飛行機のイス)級のそんな快適すぎるイス(シート)。

のんびりとリラックスしたい時など、快適さを追求するシーンとかにはこんな「極楽快適なイス」はおすすめです。だけど、集中力とか交感神経を優位とするデスクワーク作業に快適さを求めすぎると、「悪い姿勢だといわれている、ダラ~とした “ ラク ” な姿勢」にいきつくのです。

もともと快適を謳うオフィスチェアは、サムライのような正しい姿勢を維持できるようなつくりにはなっていないし、「存分にくつろぎたまえ」ってな佇まいでをしています。

そんな寛ぎを誘う快適なイスに、「キリッ」とした姿勢で座る人はいないでしょう。

ちなみに私のデスクチェアは、キッチンで使っていた、快適さのかけらもないゴツゴツゴツッとした「ザ・椅子」をつかってます。椅子を引いた時に「ギギィーッ」って音がする、あのノスタルジックなやつ。

キッチンで使う椅子って、大抵はこういったゴツゴツ系が多いじゃない。その理由は、背筋をのばしてちゃんとした姿勢を保つためです。よく噛んで消化を助けるには、背筋が自然に伸びた姿勢の方が良い。だから、あえてゆったりしすぎない作りになっているのです。

このキッチン椅子をデスクワークに代用することの利点は、ずっと座っているとケツ(おしり)が痛くなるので(ヒドくなると「じ」になるから)、途中何度も立ってリフレッシュしようとする。

この手のイスはリラックスさせるつもりは微塵もないので、ゆったりくつろぐ芳醇さもなく、うとうと眠くなったりはしない。たまに眠ってしまうこともあるけど、お尻とか背中とかが痛くなるので、すぐに起きる事ができるのだ。

そして、何よりも、自然と「早く終わらせよう」という気持ちになるのが、意外な効用だったりする。

デスクワークで使うイスは、快適なのもいいのですが、ほどよい緊張&ほどよいリラックスの両立をかなえてくれるのがベストなのかもしれません。

時には、スタンダップ。

さて、デスクワークの作業効率だけを考えた時、快適でないイスを使う選択もありますが、そもそも椅子を使わない、「スタンディングスタイル」(立って作業する)の方が、効率が図れたりする。

効率が図れるだけでなく、椅子に座り続けたときの体の負担を軽減し、ダラダラモードを回避することもできます。

今では、多くの企業がこの「立って仕事をする」スタンディングワークを採用しているとききます。なんでもデンマークでは、95%がスタンディングワークスタイルだそうです。

同じ姿勢を取り続けたり、あまり動かない体勢で作業をしたりすることは、「エコノミークラス症候群」という危険をはらんでいるのです。

エコノミークラス症候群とは、長時間同じ姿勢のままでいると、血の流れが悪くなり血管の中に血のかたまりが作られ、そこに痛みや腫れが生じる怖い病気。病院での治療を余儀なくされます。

こうした中で注目されている、立ち仕事やスタンディングスタイル。つい長い時間座ってしまう弊害を緩和するだけではないメリットを持っている点が、大きな長所の一つです。

立って作業をする効率化もあり

1954年に「老人と海」でノーベル文学賞を受賞したアメリカの小説家「アーネスト・ヘミングウェイ」は短い文章で、客観的な事実だけを書く、ドライなスタイルが特徴だといわれています。

私は「ドライな文体スタイル」を読んだことはないのですが、彼が習慣としていた「執筆スタイル」には興味を注がれた。

ヘミングウェイはタイプライターで小説を書いていたが、そのタイプライターはスタンディングデスク(立って作業するようになっている机)の上にあったとされます。

なぜこのような執筆スタイルをとっているのかというと、まさに短く、簡潔な文体を追求するためだという。

座って書いていると、どうしてものんびりとして、一文が長くなりやすい。だから、彼はスタンディングデスクを使ったり、片足で立ったりしながら小説を書いたのだという。

なるほど。立って作業をすることは、体の負担を軽減させることが目的とされるが、座ったときのように「ダラダラとくつろげない」という効果もあるわけだ。

なんだか半強制的な感じはするが、立って行う事は作業効率は格段にアップするのだ。

座り過ぎのデメリットを減らし、立つことのよさを活かす

スタンディングスタイルがいいとはいっても、座り仕事に慣れていると、最初は立って作業することにやりにくさを感じるかもしれません。慣れるまでにある程度の時間がかかることもあります。

また、足腰に持病や痛みがある人は、無理は禁物です。

それに、専用の「スタンディングデスク」を使うことになるため、新たな備品を購入する必要があります。今すぐしようと思っても、できることではないでしょう。

スタンディングスタイルのススメは、立っている状態が座っているより効率がよい、ということを意味しているわけではありません。

ポイントは「座り過ぎのデメリットを減らし、立つことのよさを活かす」です。

座ったほうが集中できる時もありますし、座りっぱなしのデメリット解消のために立って仕事をしても、バランスの悪い立ち方をしていては、別の凝りや痛みの原因にもなってしまいます。

ただ、例えばパソコンの作業になると、画面を食い入るようにのぞきこんだりして急に姿勢が悪くなる人もいます。

どちらにしてもスタンディングは、当たり前とされるこれまでの働き方の改善策として、また座り過ぎが心身に与えるリスクを軽減してくれる「一つの提案材料」として、そのよさを理解して活用することが重要といえます。