「新年の目標」を忘れ去ってしまう心理と失敗に終わる理由

「新年の目標」を忘れ去ってしまう心理と失敗に終わる理由

早いもので今年も半年が経ちました。なんだかお正月が昨日のことのように思えたりもするのではないでしょうか。

ところで、毎年1月になるとする事といえば、「新年の目標を立てる」など、「今年はこうしよう!」と誓いを立てたりします。

ですが、ほとんどの人が、半年も過ぎれば忘れてしまいます。あなたはどうでしょう?

「目標を立てる」「ゴールを設定する」など、目指すべきことを明確にすることは大切なことですが、目標を立てることが目的になってしまい、正月休みが終わると同時にすっかり忘れてしまう人も実は多くいるようです。

新しい環境や新たな時期を迎えた時は、「ハネムーン効果」といって、一時的に意欲が一気に高まる心理が働きます。

ところが、人の心は気まぐれで移り気。一気に高まった意欲は、一気に下がってしまう・・・。困ったものです。

なぜ、「新年の目標」は半年と持たないのだろうか?

それは一つに、目標を立てることは “ いいこと ” なので、それで満足してしまう心理が働くようです。

様々な事が要因になることもありますが、今回は、「目標を立てる」という、“ いいこと ” をする満足感が、かえってやる気を奪うかもしれないという心理についてお話をします。

「モラル・ライセンシング効果」の罠

「なりたい自分を明確にし成功した自分を頭にハッキリとイメージしよう。」

自己啓発系でよくいわれることですが、これが実はやっかいで、かえって行動力を落とすなんてこともありうる。

結果にフォーカスする「目標」を立てる、○○をするために~リストを作成する、目標達成項目を紙に書きだす、ルーチンワークを一覧表にする・・・など、目標達成計画というものは数えきれないほどあります。

しかし、人は、何かをしようとしただけでそのことをした気になってしまう。計画を立てたことで「満足」してしまう生き物です。

心理学では、「モラル・ライセンシング効果」といって、人は何か良いことをすると、いい気分になり、そのせいで自分の衝動を信用しがちになる。多くの場合、悪いことをしたって構わないと思ってしまう心理をいう。

シカゴ大学とイエール大学の研究によると、「人は目標に向かって前進すると、遠ざかるような行動をとる生き物」であると言われています。

つまり、「目標を立てる」という結果に達成感を味わってしまうと、現実ではなく想像の世界で「一歩前進した。成長した」とう思いになり、モラル・ライセンシングに陥る事はよくあります。

例えば、自己啓発本を読んだ時とか、自己啓発系のセミナーを受講したときなど、その瞬間はなぜかすでに達成感を感じてしまい、満足してしまう。満足してしまったがゆえに、「とにかくなんとかせねばならない!」といった危機感やハングリー精神がなくなり、行動するための原動力が下がってしまう。

恐ろしいもので、モラル・ライセンシングに陥ると、一歩進んで二歩退がる結果を引き起こすとされる。

目標を立てた→進歩した→満足→気の緩み →結局行動しない→後悔→再び目標を立てる・・・・・

このような、負のスパイラルに陥ってしまう事って結構ありませんか?

さらに、モラル・ライセンシングの興味深い点は、「良いことをしたら」ではなく「良いことを考える」だけで発動してしまうところです。

例えば、義援金や寄付金の依頼を受けた時、以前に気前よく寄付したことを思い出した人たちは、思い出さなかった人と比べて、寄付金が6割も低くなるといわれている。

「以前に寄付したから今回はこれくらいでいいか」という気持ちなってしまうという。モラル・ライセンシングは、「少しくらい悪いことをしたくなる」だけでなく、「良い行いを抑制する」現象をも引き起こしてしまいます。

さて、人は、良いことをするとそれだけで満足をしてしまい、モラル・ライセンシングに陥ってしまうもの。ですが、「目標を立てる」「新年の目標」は立てない方がいいという解釈ではありません。

当たり前ですが、「行動」に結びつかないと全く意味をなさない事はわかると思います。

目標を立てることで「モチベーションが上がる」というメリットがありますが、何かの拍子ですぐにやる気が削がれたり、急にめんどくさくなったりする。

どうやら人の行動力はモチベーションが支配しているわけではないようだ。行動力を決定づけるのはモチベーションではなく「気分」。いくら目的や目標が明確であっても、「気分」が下がっていたら動けないもの。

モチベーションが高かったとしても、気分が乗っていなければ、あらゆるやる気を失ってしまう。逆に、「気分」が乗っていれば、目的や目標がなくとも、行動力だけはとにかく高い。

では、行動の原動となる「気分が乗る」状態にするにはどうすればいいか?

不安や悩みを消し去るには、「迷わずとにかく行動する」

気分が乗らない要因に「不安」や「迷い」がある。自分では気づきにくいのですが、実は相当「不安」や「迷い」があります。

今までやってきたうまくいかなかった経験による過去から引きずる迷い、今後も多分うまくいかないと思い込んでいる未来に捉われてしまう不安。

そして、「自分のできていないところやうまくいっていないこと」「失敗やミス、好ましくない現在の結果」「自分の中のネガティブな気分」など、現在起きている一部分が、あたかもすべてであるかのように感じてしまう現在に捉われてしまう不安と迷い。

誰しも不安な状態では迷いが生じる。迷いは新たな不安を引き寄せる。ですが、これらは全て頭の中で作った実在しない「想像」でしかないということ。

目の前に見えない大きな壁を立ててしまい、その場でじっと動かず立ち止まった状態でいるのです。ハッキリ言いますがその想像で立っている大きな壁は壊すことなくすり抜ける事ができます。

その場で突っ立ってないで一歩前に踏み込んでみるとわかる。壁があるから前に進めないのではなく、動かないから壁を作ってしまっているということを。

不安や悩みの幻想の壁を消し去るには、「とにかく行動する」。今するべき事をハッキリさせ迷わず動く。動けば自然と気分は乗ってくるもの。

結果を重視した目標で、完成された未来を想像し、あたかも達成したかのような気分になり満足してしまっては本末転倒。行動していないので根本的な不安は残ったままです。

目標を立てるのであれば結果にばかりコミットしてはいけない。

「プロセス」を重視する。結果ではなく、それに至るまでのプロセスにフォーカスすることがポイント。

至る所、「今日やるべきことに迷わず行動する」がないと、成果なんてものは一向に得られない。

なぜか?10年後の目標を達成するには、5年後の目標が必要、5年後の目標を達成するには1年後の目標が必要。1年後の目標を達成するには1カ月後の目標が必要、1カ月後の目標を達成するのであれば、今日するべきことをしないと到底前進しない。

つまり、いきつくところは、今。今するべきことがハッキリしなと、目的とする未来に辿りつくことはできない。今日やる事にだけ集中して取り組む。

「とりあえずは今日だけでもやってみよう」というくらいの気持ちで、とにかく「今するべき小さな目標を達成する」ことにコミットするべきなのです。

とりあえず今日だけはできた。明日になれば、また「今日だけでもとりあえずやってみよう。」そんなことの繰り返しがやがては習慣となります。

「新年の目標」「新年の抱負」の違い

「抱負」と「目標」の違いってわかりますか?

「目標」とは、ゴール地点そのものであり、「こうなりたい」という「結果」を重視します。一方「抱負」とは、心の中に持っている計画や決意。つまり目的に向かって「どのように行動するか」を決めるということ。

目標と言う名のゴールへ向かって「このように行動をします」というプロセスの行動計画を掲げるのが「抱負」。

つまり、「○○になりたい。」結果にフォーカスするのが目標、「○○になるためにこうする。」プロセスにコミットするのが抱負だと会釈。

要は、「結果」という目標だけではなく、「プロセス」という抱負を重視しないと、人は得体のしれない満足感、達成感に陥ってしまいます。

まずは、「今日、これだけはする」というように決め、できた時はカレンダーを塗りつぶすなど、小さな成功体験を習慣化させることを「目標」にしよう。