人口減少問題と高生産性社会のパラダイムシフト

人口減少問題と高生産性社会のパラダイムシフト

元号が変わり「令和」の時代が始まった。

花開く革新技術は平成とは比べものにならない速度で進歩し、日本社会のあり方を大きく変えていこうとしています。

しかし、同時に大きく抱える諸問題も然るべく避けされない事は確かです。

日本の人口が減少し続けていることはご存知でしょうか?

「少子高齢化」が叫ばれて久しいが、出生率の低下で子供の数が少なくなることを「少子化」、国内の総人口に占める65歳以上の人口が増大することを、「高齢化」という。

2040年には高齢化率はピークに達すると予測されていることは、大多数の人が認識しているはずです。

しかし、少子化問題は、それにも増す国内最大の問題だとされている。

あまり取り上げられていないためか、「少子化=人口減少」というシナリオに気付いていない方も多いと、東洋経済オンラインサイトでとりあげられておりました。

日本人は「人口減少」の深刻さをわかってない | 国内経済

最近ようやくメディアでは、「超高齢化社会」から、「人口減少社会」というキーワードを取り上げるようになったようだ。

なぜ、「高齢化」に関する話題は多く、「少子化=人口減」は取りあげられないのだろうか?

それはやはり、65歳以上に達する高齢者の方は、自らに襲い掛かる懸念を発信するが、子供たちは、同世代の人数が少ないことを深刻に取り上げ、それを社会に発信する子供がどれだけいるだろうか?ということかもしれません。

実際に、日本国内の人口は、国立社会保障・人口問題研究所の将来人口推計調査報告によると、2007年(1億2,777万人)をピークに達し、翌年2008年から徐々に減少へと転じ続け、2056年には1億人を割り、2060年には約8980万人の規模になると推測しています。

人口が減少することで最も問題視されていることは、「労働人口の減少」、つまり働く人が減るということ。

働く人が減るだけでなく、高齢化社会へ突入すると、生産性の高いバリバリ動ける15歳から64歳までの「生産年齢人口」が減少するため、GDP(国内総生産)が低下する恐れがある。

つまり、近い将来、国内の「労働生産性は確実に落ちる」ことが予測される。

労働人口の減少による「労働生産性の低下」

「労働生産性」とは、簡単に言うと、労働者が一人当たりにどれだけ効率的にモノやサービスを生産しているか。ということです。

例えば、ある工場で、体力があり元気に働ける若者は、1時間で10個の製品を作れるが、体力も衰えた高齢の方は1時間で5個しか作れないと考えられます。

1時間に10個の製品を作れる若者に対し、1時間に5個しか製品しか作れない高齢の方は、効率的な生産力が足りない、つまり、若者に対し恒例の方は「労働生産性が低い」ということです。

年を重ねるごとに、労働力が低下してしまうのは誰しも避けられない。平均年齢の高い職場の生産性が下がるのは自然の摂理ともいうべきか、この件に関しては解決の糸口を人材能力に求めるのは不可能と判断すべきでしょう。

従って、効率的な生産力がある若者の人数よりも、生産力の劣る高齢者の人数の割合が多くなると、全体の労働生産性は低くなります。

若者 < 高齢者 = 労働生産性がよくない

若者 > 高齢者 = 労働生産性がいい

つまり、高齢者の割合が高くなる少子高齢化社会になると、今よりも、国内の「労働生産性は確実に落ちる」ということです。

働く人口が減り、さらに、労働生産性が下がることがどれだけ問題であるか。
大雑把に説明しましたが、把握して頂けたでしょうか。

労働力不足に関しては、すでに現段階で深刻化している業界もあります。

3人に1人が65歳以上の高齢者社会において、介護サービスの需要が高まることは容易に想像ができるが、介護業界では既に深刻な人材不足に陥っているとされる。

2020年に開催される東京オリンピックを機に、政府は、2030年には訪日客数6000万人、消費額を15兆円とする目標を掲げていますが、現在、約6割の旅館やホテルなどの宿泊施設で人手不足が深刻化している。

長時間労働や肉体的な負担も大きいことから、医療業界の業務に従事する人材は減少傾向にあります。

このため将来的には、医師の不足によって病院の医療体制が縮小され、終末期医療などにも大きな影響を及ぼすことが懸念されています。

さて、少子高齢化、ならびに人口減少社会が訪れることによる、「労働生産性が落ちる」事に対する対策は、単純に、「労働生産性を上げる」ことです。

つまり、人口が減り、高齢化率が高まることを避けられない現状に対し打つ手を考えると、出生率を上げるか、高齢者の労働力を高めるか、外国人労働者を多く採用するなどもありますが、人間の労働力を高めることで、労働生産性が上げようとするのは、あまり現実的だとは思えません。

ならば、「労働環境のシステムの生産性を上げる」という対策がある。

この事を頭に入れておいてください。続けて、別の項目について話を進めていきます。

テクノロジーの進化による、高生産性環境の未来

先ほど、「生産性」について取り上げましたが、なぜかこの「生産性」という言葉は、本来の意味よりはるかに狭く解釈され、その重要性も正しく認識されていないようです。

なかには「自分は工場で働いているわけではないので関係がない」とか、「生産性なんて仕事の話であって、家事や遊びには無関係だ」と考える人もいるという。

ですが、本来の意味での生産性とは、仕事だけでなく家事から育児、趣味からボランティア、勉強に人付き合いからコミュニケーションに至るまで、生活のあらゆる場面においてその成果を最大化するための鍵となる概念なのです。

会社の仕事に携わる人だけでなく、家事や育児、習い事や遊びまで、普段から「毎日毎日、忙しすぎる!」と感じているすべての人たちも、まず取り組むべき本質的な問題は「生産性を上げること」だということを理解してください。

私達が仕事や暮らしの生産性を上げるにはどうすればいいのでしょうか?

真っ先に思いつくのは時間の使い方かもしれません。他にもムダになっている習慣を改める、作業の効率を高める、人に頼む・・・など、打つべき対策は様々です。

ですが、これらの生産性を上げるための対策をあえてしなくても、私たちの暮らしは、猛スピードで生産性が上がっていることに気が付いているでしょうか?

正しくは、私達の行動の生産性が高くなったと解釈するよりも、社会の環境そのものの生産性が上がったといえます。

今後、私たちの暮らす社会では、これまでに経験したことがないほど速いスピードで、しかもあらゆる場面で生産性は上がっていく事は確かです。

例えば、「自家用車の空き時間の生産性の向上」。一般的に個人が所有する車の稼働率は高くありません。

長い時間、駐車場に止めたままで、あまり走らせることが少ない個人所有の車の空き時間のムダは、希少な資源の効率が悪い、つまり生産性を落としています。

そんな生産性の悪い自家用車所有のムダは減りつつあり、カーシェアリングというサービスの利用が始まった。カーシェアリングとは、会員登録するだけで無人のカーステーションにある車を24時間いつでも必要なときに必要な時間だけ利用できるシステムです。

さらに、国内ではまだ普及していないが、個人が自分の空き時間に自家用車で乗客を運び、乗車賃を稼ぐ「Uber(ウーバー)」は、駐車場にとめられたままだった個人所有の自家用車がその空き時間に客を乗せ、有効活用され始めています。

Uber では乗客になることも、ドライバーになって収入を得ることもできます

続けて、個人が空き部屋や空き家を宿泊場所として貸し出すAirbnb(エアビーアンドビー)といったサービスは、空いている部屋や家を有効活用します。

「Uber(ウーバー)」や「Airbnb(エアビーアンドビー)」はシェアリングエコノミーといって、使用されていない個人資産を有効活用すること、つまり、私たちの生産性を上げてくれる画期的なサービスです。

「Uber(ウーバー)」は、個人所有の自動車とその持ち主の時間の生産性を、「Airbnb(エアビーアンドビー)」は、個人所有の不動産とその持ち主の時間の生産性を上げることで価値を生み出し、それを換金するというビジネスだ。

そして、私達の暮らしの生産性を上げてくれるものといえば、やはり、スマートフォンです。スマホがまだこの世になかった時に比べて、私たちの暮らしにどれだけ効率が上がっただろうか?

例えば、ほんの一例を挙げると、分からないことを調べるために、図書館に足を運ぶ必要はなし、市役所に行く必要もなし、ほんの数秒で地球の裏側の情報さえも知る事ができる。

スマホアプリを利用すれば、仕事の効率は格段に上がり、知らず知らずに間に、便利で効率的な暮らしの環境へと著しく変化を遂げている。

このように「生産性が上がる」とは、あらゆる資源の活用度合いが高まること、あらゆる資源が、今までより有効に使われ始めることを意味しているのです。

近い将来では、5G通信が始まり、モノがインターネットにつながるIot 化により暮しの時短は進行し、さらに、AI(人工知能)を搭載があらゆるものに活用されると、環境の生産性向上は想像を絶するものとなるでしょう。

つまり、猛スピードでパラダイムシフトが起きている  テクノロジーの進化は、私達の仕事や暮らしの “ 生産性を確実に高める環境を築く ”   のです。

AI搭載ロボットに仕事を奪われるのか?

約15年後に日本の労働人口の49%の仕事がAIやロボット等で置き換えられる

野村総研とオックスフォード大学の共同研究によって発表されたレポートは大きな衝撃を与えた。

単純作業や煩雑な手続きを簡素化することを目指し、人に変わって人工知能搭載ロボット等に代替えするとの目論見。

実際、ビジネス雑誌では「AIに奪われる職業ランキング」「10年後になくなる仕事」「AI時代を生き残るには」「AIにはできない事」といった、“ 人間 vs.AI”論の見出しが踊っています。

ですが、AIに「奪われる」とか、「とられる」というのは、おかしな表現ではないだろうか。

もし仮に、現在自分が担当している作業があったとします。新しく入ってきた社員に、その作業を任せる事になった時、新入社員に「奪われた」とか「とられた」とは言わないはずです。

正しくは、AIに仕事を “ 奪われる ”ではなく、“ 引き継ぐ ”と表現すべきでしょう。

それに、AI(人工知能)に引き継ぐ仕事ばかりにフォーカスしているが、逆に、Iot ・AI関連によって生み出される新しい仕事が今後益々生み出す可能性が高いことも確かだ。

数年前、コンピュータやインターネットが普及し始めたときにも、仕事が奪われると心配されましたが、現在のIT関連の求人の多さはどうでしょう。

データ入力や情報機器の保守など、ITシステムに関する業務、ネットビジネス関連や広告、コンピュータやインターネットが普及したことにより、それまでになかった仕事がは数えきれないほどに増えたはず。

ユーチューバ―をはじめ、アフィリエイトやクラウドワークス、オンラインサロン、有料メルマガ、プロダクトローンチ、グーグルアドセンス、情報販売、転売など、誰も予想しなかった仕事はいくらでも現われました。

むしろ、今後IotやAI技術による市場が拡大することが予測されるとなると、IT人材が不足する可能性が高くなるかもしれません。実際、現在でも必要な技術者は不足しており、IT業界では人材の育成が急務になっているとされます。

冒頭で、取り上げた「少子高齢化」ならびに「人口減少社会」問題を思い出してください。

そう、国内では今後、「労働生産性が落ちる」という大問題を抱えています。ですが、その一方では、「AIに奪われる職業」「10年後になくなる仕事」などの懸念ばかりが踊り、テクノロジーの進化による「労働生産性が上がる」事に気づいていないように思えます。

人材労働環境では「労働生産性は落ちる」とされるが、国内全体の労働環境は、今後、AIと人間との協力作業により、確実に「労働生産性は向上」し、「新しい職業が次々と現れる」。と私は予測している。

ただ、今後、人口が減少する問題が深刻であることは確かです。いくら、生産性が上がっても、絶対的な人口が減っては市場の縮小に伴う景気の悪化、所得収入の減少、至っては税収が減る事でさらに国の借金が拡大する恐れがあります。

ベーシックインカム制度の導入、海外移民の受け入れなど、国の施策意外に、個々人の対策としては、生産性が高くなる環境に合わせ、自身の生産性を高め、出来るだけ長く働きづつけられる将来の過ごし方を考え直すことが求められるかもしれません。