「社会人(大人)の勉強」と「学生(子供)の勉強」の違いと視点

大人になると、仕事に家事に、地域の行事やイベント、子供の相手・・・など、とにかく時間がなくて勉強する時間もなく、講習会やセミナー行きたくてもその暇がない。
そういう方は結構いることでしょう。
ですが、勉強するということは、机に座ってテキストを広げて何かを覚えること、という発想はいったん捨てたほうがよいのでは、ということ。
勉強してスキルを磨くことに時間も場所も限られたものではないはずです。
勉強と聞くと、子供の頃、机にしがみ付いてやるものと思い込んでしまっている、というより気づけばそうしている自分がそこにいませんか?
自宅にはちゃんと自分専用のデスクがあるか、もしくはいつもの場所で勉強も、何かしらの作業も、その専用スペースに収まった時だけスイッチが入る。みたいな。
子供が学ぶ勉強と大人が学ぶべきスキル
多くの社会人の方は、大人になってからでも、何かをスキルアップしようと思い勉強に励みます。
子供の頃、学校に通った経験がある方は、勉強はみんながやっているから、“ 当たり前のようにやらなければならないもの ”と思って何の疑問も感じずにやっていた。
子供たちは何のために勉強をやっているのでしょうか?
たとえば「(中学生の場合)〇〇高校に合格するため」、「〇〇高校に合格して、その先は?」と聞かれるとおそらく「〇〇大学に合格するため」さらにその先は「〇〇会社に入るため」とかでしょうか?
このような目先の受験のための勉強という意味も確かにあるけど、やるだけやって仮にダメであっても、その先でさらに伸びていける人になるため。だったりします。
子供がやっている勉強は、いずれも「将来」あらゆることに対応できるための基礎体力を身に付けることを目的としています。
さて、社会人である大人がする勉強は、何のためでしょうか?子供と同じく、基礎的な知識や経験を今よりも向上させるという目的も当然あります。
しかし、社会に出てから、大抵の人は暮らしていくための「稼ぎ」が重要な要素になっている事は確かな事です。
子供の頃の勉強は、いってみればお金を払って勉強をする「消費者」です。
生徒の授業料は無料でも、塾に通ったり、家庭教師を雇ったり、問題集や参考書を使って勉強することは、お金を払って学ぶ消費者といえます。
ですが、大人がする勉強全てが「消費者」になってしまうと、「お金を稼ぐ」という目的と相反してしまうわけです。
何がいいたいかと申しますと、大人の勉強とはつまり、「お金を稼ぐための勉強」でなくてはならないという事です。
社会人が学びはいつでもどこでも無料でできる
お金を稼ぐための勉強と聞くと何を想像しますか?株や投資、ネットで稼ぐための方法など、明らかに儲けるためのスキルでしょうか?
確かにそれらを勉強することで稼ぐ知識も能力も高める事は出来るでしょう。
それらを勉強するためには、参考本や動画、ネット教材、セミナー、講習、といった「消費者」としての勉強をしなくてはいけません。独学でする方法もありますが、何のツールもなしにはできません。
結局は、子供のころの塾や教材、ネット学習などの「消費者」としての勉強と何ら変わりません。
とはいえ、たとえこのような消費者としての勉強でさえも、大人の方はなかなかできないでいる。
そうですね。冒頭の課題として挙げている「時間がない」から。そもそも大人と子供の勉強するために確保された時間がちがいます。
圧倒的に子供の方が勉強をする時間が用意されている。なので、「お金を稼ぐための勉強」をすることが優先されるのならば、お金を使うための勉強(消費者)をしている暇なんてないのです。
セミナーに通う時間も、参考本を見ながら何時間も机の上でガシガシ勉強できる時間は限られている。
一方で、スキマ時間を使うという優れた方法がある。スキマ時間を利用して、資格に合格される方もいしゃっらいます。
スキマ時間を勉強にあてる方法は、オススメというよりも、そうするべきでしょう。勉強だけでなくとも、限られた時間を有効利用するために、誰しも共通のメリットがあります。
以下の記事でスキマ時間の効用について綴らせていただきました。参考なまでにどうぞ。
意外と知られていない!「スキマ時間」の3つ効用スキマ時間の利用は絶対といえるほど推奨します。ですが、スキマ時間を有効利用するにも、それなりのスキルというものがあり、それに人によって確保できる時間がバラバラ。
それに、スキマ時間でできることって、本を読むとか、書類をまとめるとか、原稿をかくとか、大抵は短い時間でできる「作業」として利用されるかと思われます。
とてもじゃありませんが、「お金を稼ぐための勉強」をスキマ時間だけで培おうというほど簡単なものではありません。
というのも、普段私たちの生活は、経済活動つまり消費することを主体として暮らしています。電車に乗る事も、車を運転することも、ランチも、付き合いも、勤務時間以外のほとんどが、「お金を使うための脳」になっています。
そんな中、わずかなスキマ時間だけを「稼ぎ脳」に切り替えるのは、いってみれば、お店の定員さんが休憩している間、代わりに店番してくださいといきなり言われるようなもの。
「稼ぎ脳」という言葉がでてきましたが、大人の勉強とは、お金を稼ぐための勉強。
つまり、“ 儲けるためのスキルや仕組みについての知識を得る ” 勉強をしましょう。ということ。
稼ぐための勉強とは、儲けるための仕組みを知り、それを実行できるようにすることが、大人の方にとっての勉強です。
消費者側目線ではなく、サービス提供側・生産側・マーケター側目線に頭を切り替えてなくてはいけません。
商品が半額値引きされているのをみて、「半額お得だ~」ではなく、「なぜ半額なのか?」「どうして儲けているのか?」といった稼ぎ脳を身に付けることが大人の勉強の目的です。
そう考えますと、私たちの日常にある全てのことに「儲ける仕組み」がゴロゴロしていることに気付くはずです。
机の上や限られたスペースだけでなく、24時間の自分の生活そのものがお金を稼ぐための勉強になるのですから。
社会人の勉強は “ 過程 ” を知ること
では、どうすれば、24時間、暮らしの中から稼ぐためのスキルを学べばいいのでしょうか?
あなたが携わる職業によって様々ですが、わかりやすいように「外食業」で例えてみましょう。
外食といえば、美味しいお店で料理を楽しむことが目的でしょう。そこで、おいしい料理のレシピを調べるのではなく、儲けの仕組みに視点をおいて、それを調べてみるこ とで、 考え やすく なり ます。
たとえば 、近頃の回転ずしは、寿司だけでなく、ラーメンや丼物など、ファミレス化してきたようにおもいます。
そこで、単に「もうこれじゃ寿司屋じゃんないね~」とか、「意外と寿司屋のカツ丼うまいな~」など消費者目線の視点だけでは「稼ぐスキル」は養えません。
なぜ、「回転寿司屋がファミレス化したのか?」というマーケット視点を持つことです。
すると、魚嫌いの子どもを連れているファミリーにもアピールできるなど、子供がいきたくなる外食。子供は一人で行けないので必ず大人と一緒に来店される。つまりファミリー層の囲い込みを狙っているのがわかります。
さらに、1皿100円では利益が取れないので、ハンバーグやポテトなど、粗利率の高い食材で全体の利益のアベレージを確保する、もっと深読みすると、回転寿司はいってみればセルフのようなものなので、時間当たりの来店客が増えれば、固定費を一定に保ち、利益率だけを儲けることができる。など。
つまり、自宅の机の上で小 難しい マーケティング 本 を 読ん で 理屈 を こねる よりも、私たちの暮らしの中には「お金を稼ぐためのスキル」となるものがそこらじゅうに転がっており、しかも別途時間もコストもかかりません。
そして、そういう作業を習慣化できれば、日常生活のすべてが学びとなり、漫然と過ごしている人とは大きな差をつけることができるのです。
習慣が人生をつくる、とよくいわれます。望ましい習慣を身につければ、望ましい人生になるということです。
つまり、その根底にあるのは、「私たちに大人とっていつでもどもでも24時間、無駄な経験は何もない。どんなことでも必ず何か学びがある」ということ。
とはいっても、24時間常にマーケット視点を持ちましょう。というのは疲れます。
慣れないうちは、「小さく」行なう事が大切です。電車に乗った時の広告のキャッチコピーは誰をターゲットとしているのか、ショッピングセンターのバリアフリーはどうなっているのか、コンビニの700円以上でくじが引けるのはなぜか?
最近ですと、スマホ半額サポートはどういったカラクリなのか、など、マーケター視点でその仕組みが分かると消費者としての盲点に気付くこともできるのでおもしろいものです。
儲けるための仕組みや安全対策に工夫された人間工学には、「発想思考のヒント」が得られることが多くあります。
例えば、このところ頻繁に見聞きする、アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故が多発しています。
それを防止するための「ワンペダル式」が開発されたことはご存知でしょう。
アクセルとペダルが一緒にしたことで「ワンペダル」なのですが、この発明の発想はどこにあるのでしょうか?
アクセルとペダルが一体化してしまうと、余計に間違えるのではと思えますが、そうではないようです。

これは私の見解ですが、アクセルもブレーキも要は同じ「踏込む」動作は同じです。しかも同じ右足です。
単純に考えて、同じ動作なので、高齢者の方にしてみれば踏み間違える可能性が高いのは当然といえます。
ならば、「踏む」という動作と、「横にスライドさせる」という異なる動作に分ける事で間違いを防ぐ事ができる。
熟練のドライバーは、これまでアクセルもブレーキも、サイドブレーキも「踏む」動作に慣れてきたので、とっさのときは「踏み込む」動作をしてしまうはずです。
なので、ブレーキを「踏む」、アクセルを「横にスライドさせる」動作にすればより安全です。
アクセルを「横にスライドさせる」は、ブレーキからアクセルにスライドさせて踏込むを応用したものなので、負担がかかることも、「慣れない動作」でもないといえる。
さらに、ブレーキとアクセルが一体化されているので、今までの「踏み変える」動作がなく、かかとを視点に回転させるだけなので、ラクになります。
このように、気づかなかった盲点に着目すれば、問題点の解決の糸口がみえてくる。ほんとに「ワンペダル式」は、すばらしい発想だと思います。まだまだ今以上に工夫されていくとおもわれます。
要は、私たち大人の勉強は、子供の勉強と少し違った視点をもつことが大切です。子供の学習のようにお金を掛けなくとも、無料でしかも24時間いつでも学ぶことができるのです。
身の回りのものなら何でもいいのですが、求めるは「自分自身のビジネスにどう生かせるか」という視点をもつことも大切でしょう。