「ニーズ」と「ウォンツ」を理解しよう

「ニーズ」と「ウォンツ」を理解しよう

仕事や家事、育児など毎日時間に追われる中、効率的に家事をこなして少しでも自分の時間を持ちたい。

働くお母さんがそう考えるのはとても自然なこと。専業主婦の方にとっても、一人暮らしの人にとっても、「家事の時短テク」に興味を持たれます。

家事を時間短縮する方法には様々な方法があります。

例えば、「掃除」にかかる時間を少しでも短く手間をかけないようにするにはどのような方法があるでしょうか?

一つは、時短になる掃除グッズを使う。普通の雑巾ではなかなか汚れが落ちにくいので、「マイクロファイバークロス」を使うなど。

油汚れや頑固な水垢がよく落ちる洗剤を使うなどそうです。

時短だけを求めるならば、経済的に余裕のある人は家政婦を雇う手段もあります。

私自身、本気で家事を従事しているわけではないので、どういった時短テクがあるのか詳しくご紹介することは出来かねます。

さて、時短家事の一番のメリットは、家事以外の「時間を増やすせること」ではないでしょうか。

そのための手段として、時短グッズを使う、家政婦を雇うなどの方法があります。

お母さんが時短家事で求めることに、「少しでも自分の時間を持ちたい」という欲望の事を「ニーズ」という。

そして、その「自分の時間を持ちたい」というニーズを叶えるための時短グッズがほしいという欲求を「ウォンツ」といいます。

一般的には、ニーズを必要なモノ(needs)のこと、ウォンツを欲しいモノ(wants)のことだと捉えられているようですが、正確には次のような違いがあります。

ニーズ:本質的な欲望

ウォンツ:ニーズを満たす欲望

つまり、自分の時間を持ちたいという「ニーズ」があり、そのニーズを満たすことができる商品が欲しいと思うのが「ウォンツ」です。

ニーズとウォンツを「目的と手段」の関係で考えるとわかりやすいかもしれません。

「ニーズ(目的)を満たしたいウォンツ(手段)」

つまり、この2つの関係を理解することで、あなたが取り扱う商品はどのような「ウォンツ」を可能とするか、そして、その商品のウォンツは、顧客の本質的な「ニーズ」は何かを捉える事ができるのです。

反対に、顧客の「ニーズ」を満たすことができる商品には、どのような「ウォンツ」があるのかを見つけることができるのです。

「必要な欲しい」と「必要でない欲しい」

消費者が求める「○○が欲しい」「○○を買いたい」というのは、ウォンツです。

そして目的である本質的ニーズを満たすための具体的な手段への欲求に「ウォンツ」という言葉を使うと説明しました。

ですが、「○○が欲しい」というウォンツには、2通りの欲しいがあります。

それは、「必要性を満たすウォンツ」と「必要性はないが欲しいを満たすウォンツ」です。

例えば、「トイレットペーパーが欲しい」は正確には、「トイレットペーパーが必要だから欲しい」。

トイレットペーパーは生活必需品なので、「必要性のあるウォンツ」ということになります。

では、「吸水性に優れたトイレットペーパー」とか「フローラルの香りが華やぐトイレットペーパー」という商品ではどうでしょうか?

本来トイレットペーパーとは、お尻を拭くためのもので、「吸水性にすごく優れている」とか、ましてや「香りがする」などは必要性がなくてもいいわけです。

つまり、こういった付加価値の付いたウォンツは、「必要性はないが欲しいを満たすウォンツ」です。

では、質問です。「必要性を満たすウォンツ」と「必要性はないが欲しいを満たすウォンツ」とでは、どちらが高く売れると思いますか?

そうです、後者の「必要性はないが欲しいを満たすウォンツ」の方が高く売れるのです。

反対に、何の付加価値もないシンプルなトイレットパーパーを必要だから欲しいという消費者は、1円でも安く買いたいと思います。

つまり、売り手にとって、「必要性を満たすウォンツ」ではなく、「必要性はないが欲しいを満たすウォンツ」を消費者に提供しなくてはいけない。

それが、売り手が捉えるべき「顧客のウォンツ」なのです。

では、どうすれば「必要性はないが欲しいを満たすウォンツ」を捉える事ができるのでしょうか?

ターゲットを絞るということ

ターゲットを絞るというと、主婦とか、学生とか、「人」を区分けしてしまうものですが、多様化した現在では、「人物像」で絞る必要はなくなってきたように思えます。

なので、私は、「必要性はないが欲しいを満たすウォンツ」というカテゴリでターゲットを絞る事が大切だと思います。

例えば、先のトイレットペーパーなら、「吸水性に優れている」とか、「フローラスの香りがする」など、必要ではないが、感情を揺さぶる付加価値。

つまり、必要なモノに、必要性はないが欲望を満たすことができるウォンツでターゲットを絞るということです。

「人は感情でモノを買う」と言われますが、この感情を満たすウォンツこそが、「必要性はない付加価値」なのです。

必要なモノから欲しいモノに変換する

時代の流れによって消費者の「欲しい」は変わってきます。

しかし、本質的なニーズはいつの時代もそう変わりはしません。

「自分の時間を持ちたい」「もっと幸せになりたい」など、ニーズというモノは、人間だれしもいつの時代でも満たしたい本当の意味での「必要」な欲望なのです。

ですが、その本質的なニーズを売り手が満たそうとしても、あまりにも広義なこと。

なので、その本質的なニーズ(目的)を満たすことができるウォンツ(手段)を満たせる商品やサービスを手掛けなくてはならない。

しかし、モノが溢れる今の時代では、必要性だけを満たすウォンツを売ろうとしてもそう簡単には売れません。

それに、今は必要なモノでも、やがては必要なものでなくなることも確かです。

例えば、「本」という商品は、読書を満たすことができる必要なウォンツ商品でしたが、電子書籍が出始めてからは、徐々に必要性が減少しています。

また、車所有という必要性のあるウォンツ商品は、カーシェアやライドシェアといったシェアリングサービスの普及により、必要性が少しづつなくなりつつあります。

では、この必要性がなくなりつつある「本」や「車」などを売るためにはどうすればいいのでしょうか。

それは、「必要だから欲しいを満たすウォンツ」から「必要でないが欲しいを満たすウォンツ」に変えることではないだろうか?

つまり、いくら「本」の必要性を売りに出そうが、「車」の必要性を説得して売り込もうが、そこに必要でなないが欲望を満たすことができる付加価値をつけ、感情を揺さぶるだけのウォンツ商品へと変えていかないということです。

人は、必要でないと思ったモノを買うことほど無駄な事はないと思っています。

ですが、そこに欲望を満たすだけの付加価値があると、それは顧客にとって必要だから買いたいウォンツではなく、「欲しいから買いたい」というウォンツになるのではないだろうか。