この世に「タダ」のものはない

この世に「タダ」のものはない

マーケティングの歴史は古くに遡る。

チラシや看板しかなかった時代から、TVCMなどのマスマーケティングが一般的になった時代へ移ろい、インターネットの進化とモバイルの普及により、Webマーケティングが影響力を持つようになった時代へ。

さらに、SNSの爆発的な広がりを通して、SNSマーケティングが普及した。

マーケティングの歴史は、いつでも「テクノロジーの進化」とともにありました。

未来のマーケティングトレンドを押さえる上で最も大事なことは次に「来る」テクノロジーを考えることではないだろうか。

デジタルの進化とともに進化する「無料」戦略

マーケティング手法には様々あるが、昨今デジタル化がすすむと同時に、そのビジネスモデルも変化していることがある。 それは例えば、「無料」 フリー戦略といわれるマーケティング手法だ。

「無料」「0円」「タダ」という言葉は私たちに疑いを抱かせると同時に、何よりも強く私たちの注意を引きつける。

もっとも自然な取引の形態だが、見た目ほど単純なことはほとんどない。

一見単純であるかのようだが、フリーなだけに「無料」をベースにした戦略手段はこれからまだまだ可能性を秘めていると思われる。

実際、「無料」を謳うフリー戦略はデジタル化が進ににつれ、効率化されつつある。

例えば、「無料サンプル」で顧客を囲い込み、有料商品を購入して頂くフロントエンド、バックエンド戦略ともいえるフリー戦略。 この無料サンプルにかかるコストを、有料商品の購入、さらに継続購入されない限りペイすることはできず、赤字のリスクは高い。

一方、インターネットを使ったデジタルサンプルでは、1つあればほぼ無限的にそのサンプルを提供できる。

つまり、1つのサンプルから100、1,000、10,000以上の儲けを出すことも可能だといえる。

こう聞くと、ネットを使ったフリー戦略は実に「おいしい商売」と思われるが、実はそう単純なものではない。

その理由は、購入者にとって無料は魅力的だが、その一方で、「疑い」や「価値の低下」を感じ取ることがおおいにあるということ。

誰も簡単に無料だからといって、すぐに飛びつくわけではないという事です。

そのため、多くのマーケターは、いかに「無料を感じさせない」フリー戦略を考案するかを考えつづけています。

購入者にとって、無料が単なる「タダ」という価値ではなく、商品やサービスの本来の価値を知るキッカケとなる仕組みをいかにして戦略立てするかが問われているのだろう。

実際、今どのようなフリー戦略が活用されているのか? その仕組みを知ることで、「無料」が単純な「タダ売り」ではなく、どれほど深く、さらにテクノロジーの進化とともまだまだ可能性を秘めていることに気付くかもしれない。

数回にわたりこの「フリー戦略」とはどういう仕組みなのかについて綴ってみよう。

「無料」は実は「無料」でなない?

さて、のっけからいきなり、「無料」は無料でないなどと、意味が分からないことをいっていますが、大抵の人は「無料」で商品を購入したり、サービスを受ける事で「得をした」と感じますが、商売というものは何かを得る事は必ずどこかでその対価が支払われているという当たり前の仕組みを理解しよう。ということです。

無料で購入した「本人」が、実はその対価を支払っていた、というのが実は、これまでのフリー戦略なのです。

たとえば、「ひとつ買えば、もうひとつはタダ」というセールス文句は、ふたつ買うと半額になりますという意味。

「おまけつき」は、商品の中におまけのコストも含まれている。 「送料無料」は、商品の価格に送料が組み込まれている。

「無料サンプル」は単純なマーケティングの手段で、商品を紹介すると同時に、サンプルをもらったというわずかな負い目を消費者に抱かせて、商品を買う気にさせることを期待している。

「無料お試し期間」は、試用期間が切れる前に解約しにくくなっているかもしれない。

ガソリンスタンドの「タイヤの空気入れ無料」というサービスは、これは「補完的商品」といって、無料の商品(セルフの空気入れ) が、有料の商品(ガソリンスタンドに寄り、ガソリンを入れること)に対する消費者の関心を強化するものだ。

このように、無料で提供した分のコストを、別の提供物でそのコストをカバーするフリーモデルを「内部相互補助」という。

これは古くから「ジレットモデル」と呼ばれて知られるビジネスモデルです。 髭剃りの本体を安く売って、消耗品である替え刃を継続的に使ってもらうことで利益を得る、というビジネスを始めた会社の名前を取って、こう呼ばれるようになった。

この世にタダのものなどない

さて、「内部相互補助」のフリー戦略とは、どこかで収益をカバーする無料の世界と解釈してください。

「この世にタダのものなどない」」といういわれる言葉の本質にあるのが、この内部相互補助です。

実際に無料でお金を払わないとすれば、それは結局、その人にタダで提供しようとする誰かが払っているにすぎない。

人々はときどき、こうして間接的に商品の代金を支払っています。

無料で誰でも持ち帰ることのできる雑誌、新聞、パンフレット、チラシなどのフリーペーパーは広告収入で運営されていて、それは広告主である小売業者のマーケティング予算から出され、そして、その費用は商品の価格に上乗せされるので、最終的に読者かそのまわりの人が、価格が少し高くなった商品を買うことでそのコストを負担することになる。

また、読者はそれを読むことで時間というコストを費やすし、読んでいる姿を他人に見られることで、その人の評判というコストも支払っています。

さて、「無料」がただの「無料」に終わらないことは理解して頂けたでしょうか?

無料戦略は、簡単そうに見えて実は要ではない、うまくいけばそのリターンは大きく出るが、然るにその反対の結果を招く事もあるということ。

次回は、「内部相互補助」のフリー戦略についてさらに詳しくみてみよう。