問題解決の時間を短縮する「手順」の効用

問題解決の時間を短縮する「手順」の効用

仕事でも日常生活の中でも、必ずと言っていいほど何かしらの「問題」に遭遇します。

直面した問題は、発生後すぐに解決できればいいのですが、対応が遅れたり、うまく対処できず解決に時間がかかったり、解決できなかったり・・・。

そう、私たちは、1日の中で問題解決に多くの時間を割き、生産性を悪くしてしまっている。

さらに、起きてしまった問題をその場しのぎで解決させて安心してしまうため、再び同じような問題が起きた時、またその場しのぎでどうにか解決させて終わってしまい、何度も同じ問題を発生させてしまっているのです。

そんなことほど、非効率なことはありません。

ですが私たちは、このような非効率で生産性の悪いことを、わかっているつもりでもそこまで抵抗を感じなくなり、「またかぁ・・」で当たり前のように何度も何度も向き合い続けているのです。

その理由は、問題に直面すると、何とか早く解決させたいために、解決手段を真っ先に考え、その場限りをしのいで、一件落着で安心しきってしまうから。

人は、目先のことが何とかなればそれでいい、その場で何とか解決できればいいと考えてしまうようです。

しかしそれは、起きた問題の根本的な原因追及を疎かにし、解決ではなく「回避」しているだけにすぎません。

その場をどうにか回避しただけなので、同じような問題が起きた際、またその解決方法を一から考え直さなくてはいけないため、結局また対応が遅れたり、うまく対処できず解決に時間がかかっしてしまうのです。

問題解決を仕組み化させるのは「これ」に限る

さて、早速ですが、ここで浮上してきた課題を2つ挙げてみます。

一つは、遭遇した問題はできる限り時間をかけないで、効率よく短時間に的を得た解決方法を実行させる。

二つ目は、再び同じことを繰り返さないようにその場しのぎの解決で終わらないようにすること。

この2つをクリアできれば、問題解決に割く無駄な時間を短縮し、生産性を上げる事ができるはずです。

ではどうすればいいのでしょうか?

結論から言ってしまうと、問題解決の方法をマニュアル化、または仕組み化させてしまうことです。

問題解決の方法に、マニュアルなんて形式的なことが成り立つわけがない、と思ってしまいそうですが、肝心なのは、マニュアル内の「手順」がカギとなるのです。

さて、ここで「手順」という言葉がでてきたわけですが、仕事でも、日常生活でも、あらゆるところに「手順」は存在します。

あなたは、この「手順」というものをどのように捉えているだろうか?

たとえば、工場の「モノ作り」の手順で考えてみよう。

モノ作りには、「仕入→加工→組立→検査→完成」といった、完成までに行なう決まった工程、手順があります。

すべてに決まった手順が存在するので、その製品についてまったく知識がない素人でも、パートやアルバイトとして突然その一端を任されても、スピーディかつ高品質に、製品を完成させることができます。

もし仮に、作業工程や手順がなければ、何から取り掛かればいいのか、次になにをすればいいのか、どこまで進めたのかなど、作業の進捗を把握するため、考えながら進めなくてはいけません。

それだけ、無駄に考える時間を使ってしまうという事です。

それに、作業工程の手順がなければ、ヌケモレが生じやすく、ミスが多発してしまう可能性もあり、わざわざ余分な問題を発生させてしまう。

つまり、モノ作りにおいては、「作業手順」を適切に把握できていないことで、多大な時間と労力のムダを生み、たとえ試行錯誤によって完成させたとしても、品質の低下を招いてしまうのです。

では、「何をどの順番で行なうか」という「手順」が決まっていたらどうだろうか?

何から着手し、次の手順は何か、何をどうすればよいか、などが全て決まっていると、迷うことも、ムダな時間を費やすこともなく、負荷を最低限に抑えられるので作業スピードは格段にあがります。

作業内容が明確であれば、1つの作業に集中できるため、品質が格段に向上し、ミスを発生や事故を起こすリクスを軽減します。

工場のモノ作りのように組織的に行なうものでなくても、私たちが個人で作ったり、組み立てたりする、小規模かつ単純な作業でも同じです。

あなたの努める会社でも必ず「手順」が、当たり前のようにあるはずです。

工場や会社など、仕事上だけに限られたことではなく、日常生活でも私たちは「手順」を頼りにしているシーンは多々あるはずです。

たとえば、組み立て式の家具を買ったとき、付属の手引書に書かれている手順どおり組み立てれば、誰にでも簡単に家具を完成させることができます。

もし同じ家具を2個、3個と作っていったとしたら、手順を覚えてしまい、手引書を見ずに組み立てられるようになるでしょう。

そしてもっと慣れてきたら、より効率的に、スピーディに作業を進めることができるようになります。

料理でも同じです。料理をしたことがない人でも「レシピ」を見ながら料理をすれば、ある程度のクオリティの一品が完成します。

そして慣れてくれば、レシピを見ずに、よりスピーディに料理を完成させることができるのです。

問題をすばやく的確に解決する手順

手順という方法がいかに効率的にコトを進め、ムダに考える時間を割くことなく生産性を上げてくれるものであるかが改めて理解されたでしょうか?

スピーディかつ高品質にモノを完成させるには、作業の「手順」を明確にすることが重要、ということをお話ししました。

実はこの手順というのは、「作業」だけでなく問題解決の「思考」にも同じことがいえます。

つまり、問題をすばやく的確に解決する策を導くためには、手順を明確にし、その「手順どおり思考する」ことリンクしてくるのです。

あなたが思う問題解決の手順とは、どんなものでしょうか?

問題に直面した時、いちいち手順なんて考えたことがない?

そりゃそうですね。問題に面した時、「自分の解決の手順は~」なんて考えてるばあいじゃないですからね。

それではここで、一般的な方の問題解決の手順を言語化してみましょう。

「問題発見 → 解決策」・・・とまぁ、たったこれだけの手順です。もっぱら言語化してみることもありませんでした。

例えば次のような事例です。

A君は、家にかえってからスマホをどこかでなくしていることに気が付きました。どうやら、先ほど行ったマクドナルドの店内で置き忘れてしまったようです。

すぐにマクドナルドに電話をしたところ、定員さんがちゃんと保管してくださっているとのことなので、直ぐに取りに行って、無事スマホを見つける事ができました。

一件落着。といいたいところですが、果たしてこれで問題解決といえるのでしょうか?

確かに、スマホをなくしてしまったが、無事に見つけることができた。なので万々歳なのだろうか?

いけませんねぇ、A君はつぎどこでスマホをなくすのでしょうか。その度に探しまわるつまりなのでしょうか?

このA君のような解決パターンこそが、典型的な「その場しのぎの思考」なのだ。

さて、このA君の問題解決の手順には、2つの重要な項目がぬけていることに気づきましたか?

一つは、問題に直面した時、そこで何が起きているのかという「問題の把握」です。

「スマホをなくした」という事象だけで頭がいっぱいになり、「スマホを置き忘れてしまった」という、履き違えた問題を把握してしまっています。

そして二つ目は、起きている問題に対する「原因の究明」。

「スマホをなくしたのは、マクドナルドに置き忘れた」という、その場を解決させる行動だけに終わり、「A君は、スマホは置き忘れてしまう事がある」という根本的な、「原因の追究」をしないままで済ませてしまっています。

冒頭で、2つの課題があったことをもう一度思い出してみよう。

一つは、遭遇した問題はできる限り時間をかけないで、効率よく短時間に的を得た解決方法を実行させる。二つ目は、再び同じことを繰り返さないようにその場しのぎの解決で終わらないようにする。でしたね。

この2つの課題をクリアするには、「問題の把握」「根本的な原因追及」を手順に加えなくてはならないということです。

理想的な問題解決の流れを言語化してみると、次のようになります。

「問題発見 → 現状把握 → 原因追求 → 具体策」

何が起きたのかをしっかり把握する

大半の人は、問題に遭遇した時、起きている事象に焦りを感じ、そこで何が起きているのか、一歩下がって問題点をちゃんと把握しないまま、その場をなんとかしようとしてしまいがちです。

先ほどのA君の「スマホをなくした」のは問題を把握したことではありません。「スマホを置き忘れた」ことが問題なのです。

自動車の運転で「ブレーキと間違えてアクセルを踏んでしまった」ことが問題ではなく、「アクセルとブレーキは踏み間違える事がある」というのが、問題の把握なのです。

根本原因を考えることが再発防止の第一歩

そして、その原因はどこにあるのかをシッカリと追及しないまま、即座に解決策を考えてしまうため、結局また同じことを繰り返してしまうのです。

風邪をひいて、薬を飲んで治ればいいわけでなく、普段から寒い服装でいたり、手洗いうがい習慣の徹底がおそろかになっているなどの原因究明が必要なのです。

いかがでしょうか?緊急を要するような事故などは、とにかく即対応しなくてはいけませんが、慢性化した、繰り返される問題を飽きもせず繰り返さないようにするためには、その場だけを回避しようとせず、問題把握と原因追及のステップを加える必要があるのです。

そして、この、「問題発見 → 現状把握 → 原因追求 → 具体策」こそが、課題をクリアさせるための理想の「手順」なのです。

ここであなたは、「問題に直面した時、いちいちそんな手順を考えていられるほど冷静になれるわけがない!」と思ったはずです。

ですが、工場での「モノ作り」の手順、料理の手順などは、慣れないうちは意識して確認しながら進めるでしょうが、次第に慣れてくると、頭で考えることなくその手順がインプットされているはずです。

つまり、「手順」という仕組み化は、何をどのように進めるかどうかを考えることもなく、慣れて当たり前のようにできるようになることにこそ意味があるのだ。

「問題解決の手順」も、慣れるまで意識して繰り返すことで、やがては思考のクセになっていくというもの。

問題を解決するための思考にも手順があり、その手順どおりに思考すれば、誰でも解決策まで簡単に辿り着ける。

この「思考の手順」を徹底的に効率化・実用化させることで、直面した問題解決の時間を短縮し、また、再発防止につながるため、より生産性を高めることにつながってくるのです。

問題解決の目的は、治療だけでなく、再発しない予防策を考えることであると、ここで定義します。そして、その解決策にも「正しい手順」がある。

“ 問題解決能力 ” とは、そういうものではないだろうか。

起きてしまった問題には、ちゃんと向き合う姿勢を持ちたいものです。

逃げても必ず追いかけてくる。その場で倒しても、また起き上がりいつまでも追いかけてくる。

それでもあなたは何度でも倒す事ができる。なぜなら、あなたは負けることをしらないから。何度でも起き上がるしぶとさがあるから。

面した問題とどう向き合うか?真っ向勝負で戦うか、それともいつまでも逃げるかのか。

もうその答えは見つかったはずだ。