人はなぜ「後悔」する羽目になってしまうのか?

人はなぜ「後悔」する羽目になってしまうのか?

「あのときこうしておけばよかった・・・」

人は誰しも「後悔」することはあります。よくあります。

『後悔先に立たず』ということわざがありますが、この意味は、すでに終わったことを、いくら後で悔やんでも取り返しがつかないということ。

なので、「後悔しないように生きよう」とか、「後で悔やまないようにしなさい」という戒めの事だと認識している事でしょう。

いってみれば、“ 後悔をする前 ” をどうにかしろ。ということですが、本当の意味は少し違っていて、“ 後悔した後 ” をどうするか。という戒めのことわざなのです。

説明すると、まず「後悔」とは、後になって悔やむ、というそのままの意味ですが、「先に立たず」を大抵の人は捉え違いをしているようです。

ここでの「先(さき)」とは “ 未来 ” という意味で、「立たず」とは、 “ 役に立たない ” という意味です。

つまり、「後悔しても未来の役には立たない」というのが本当の意味です。

後悔は誰でもしてしまうもの。しかし、後悔だけしていても、それはあなたの未来に役立つことにはならない。ということです。

後悔したことをネガティブなものにせず、これからの判断基準の材料と捉え、ポシティブに捉えることが大切でしょう。

しかしやはり、できることなら、なるべくなら後悔しないようにしたいはずです。

そこで、これまで何度も何度も後悔ばかりを繰り返してきた私は、「なぜ後悔するはめになってしまうのか?」を考えに考えて、一つの結論をだしてみたので、ここで紹介します。

あの時の選択は、その時の選択にすぎない

後悔するとき、大抵は「あのときこうしていれば・・・」というように、「あのときの選択を間違えた」分岐点があったはずです。

その分岐点で、自分が「どう判断を下したのか?」を思い出してみると、一つの答えが見えてきます。

それは、 “ 目の前の「得」を優先したとき ” ではないだろうか?

すべての後悔が、これに従うわけではありませんが、あなたの後悔してしまった時のことを、よく思い出してみて下さい。

その時の誘惑に踊らされていなかったか?

他人の幸せや成功に一瞬影響されてしまっていなかったか?

安売りしているから心にもないものをつい買ってしまったのではないか?

その時の自分の立場を守るために、ウソをついてしまってはいなかったか?

これらは全て、目先の「得」を優先させようとした行動であり、とっさの選択です。

ですがなぜ、目先の利益を優先させた選択が、あとから「後悔」することになってしまうのでしょうか?

あの時判断した選択が、その場限りの選択だった、と気づくのは後になってからです。

なぜ、そのとき冷静な判断を下すことができないのだろうか?

それは、人間には “ ある心理 ” が働くからです。

現在志向バイアスの罠

私たちはなぜ、思い通りに行動できないのでしょうか。「やらなくちゃ」と分かっていても、つい怠け心が働きサボってしまうのか?

どうすれば「行動」できるのかを問うなら、なぜ「怠けてしまうのか」知ることで対策を立てられるようになるかもしれません。

まず、人には「2つの思考」が存在しています。

「理想的な思考」と「本能的な思考」

「理性的な思考」というのは、健康のために運動したい、良い職に就くために勉強を頑張りたいなど、普段意識している「理想」の思考。

しかしご存じのように、 私たちはこの「理想的な思考」に反する行動を取ってしまう。

運動したいとは思っているが「サボる」が優先してしまい、勉強しなくちゃいけないのについ遊んでしまう・・・など。

思考と行動は、大抵一致しないのが現状というもの。

なぜ、理想とする考えを持ちながらも、実際行動に落とし込むことができないのか?

それは、人というものは、「本能的な思考」が行動の主導権を握っているからです。行動の多くは、本能的な「意思」の判断に基づいて行われている。

たとえば、 冷静に考えれば早くやっておけばよいものを、何かしら最もらしい「理由」をつけて自分を納得させ、 結局後回しにしてしまう。

このような考えに陥るのは、 理想的な思考の裏で本能的な「意思」が暗躍しているからです。

よく「人は感情で動く」といわれるのも、この「本能的な意思」に支配されているからだ。

つまり、「思うように行動できる人」「目標に向かって継続できる人」というのは、 意識的にしろ無意識的にしろ、この「本能的な意思」との付き合い方がカギとなる。

思い通りに行動し、目標に向かって継続し習慣化するには、「本能的な意思」のことをもっと知らなければならない。

では、本能的な意思はどのような価値判断をしているのでしょうか。

簡潔に説明するならば、今からご説明する2つの原理で説明することができます。

メリットを伴う行動を好み、デメリットを伴う行動を避ける

本能的な意思は、非常に打算的な行動をします。 簡単に言えば、損得勘定で行動するということ。

過去に多くのメリットを得られた行動は繰り返すが、デメリットを被った行動や労力を要した行動は避けるようになります。

たとえば、私たちがネット動画を見るのは、 面白い映像や感動的なストーリーを楽しむことができるから、

ご飯を食べるのは、空腹を満たせるから、私たちの起こす行動の全ては何らかのメリットがあって行われている。

メリットの伴う行動を好むのとは反対に、「本能的な意思」は、デメリットが大きい行動を敬遠します。

先輩や上司から注意されたことは二度としないように気をつけますし、 美味しくなかったレストランには足が向かなくなります。

この「デメリットや労力を避ける」という性質が理想的な思考を閉ざす「くせ者」。

私たちが習慣化したい行動も、「デメリット」の大きいものばかりだからです。

勉強は理解するのに頭を使ったり、調べ物に手間がかかったりする。運動はいわずもがな、多くの体力を使います。

さらに言えば、これらの行動に費やす時間で、リラックスしたり、遊びに行ったりできるわけです。

メリットの大きい行動なので「本能的な意思」の大好物。デメリットや労力を伴う行動は基本的に避けます。

ただ、労力やデメリットが大きくても行動できる条件がある。それは、「行動」することでデメリット以上のメリットが獲得できる場合です。

「得が損を上回る」つまりコストパフォーマンスが良い行動であれば、デメリットや労力があっても行動できる。

たとえば、好んでスポーツをする人は、その労力以上に楽しさを感じているから。辛くても毎日会社に行くのは、 欠勤することで仕事が滞ったり、職場での評判が悪化したりするのを避けるためです。

このようにデメリットよりメリットが大きければ、たとえ心身を消耗する行動であっても実行できる。

つまり、メリットを伴う行動を好み、デメリットを伴う行動を避ける心理が働くのなら、理想とする行動に、辛いとかしんどいとかのデメリットを覆すほどのメリットが、実は “ 未来 ” にある。ということに気付く事ができればいいわけです。

運動する、勉強するなどの行為によって獲得できるメリットは、健康になる(寿命が伸びる)、良い職業につける(たくさん稼げる)というように、生きる上で非常に大きなメリットを伴うはず。

今この瞬間は辛くとも、未来はそれ以上のメリットを得られることはまちがいない。たとえ苦しくてもそのメリットに向けて行動できるのです。

しかし残念ながら、実際はそう上手くいきません。なぜなら、「本能的な意思」にはもう1つの性質があるからです。

目の前の損得は大きく感じ、将来の損得は小さく感じる

手を顔の前に出して、顔から近づけたり遠ざけたりしてみてください。

手は、顔に近い時は大きく見え、遠い時は小さく見えます。これと同じような現象が「本能的な意思」の価値判断にも起こっているのです。

たとえば、こんな行動実験があります。

お金をもらえる場合、以下の2つのどちらを選ぶでしょうか?

「今すぐに10万円もらえる」

「1年後に11万円もらえる」

この2択の場合、今すぐに10万円をもらう人の方が多いことがわかっています。冷静に考えれば、1年後11万円もらう方が確実にお得なのにもかかわらず、です。

なぜ人は、このような非合理な選択をしてしまうのか。

その理由は、「本能的な意思」には、“ 目前に迫った報酬や損失は大きく感じ、将来獲得できる報酬や損失は小さく感じる ” という性質があるからです。

この現象は、心理学では「現在志向バイアス」と呼ばれている。

野性的な意思は、「今この時」を基準とした判断をとてつもなく重視する。

つまり、「運動をして、将来健康的に過ごせる」、「勉強をして、将来大きな収入を獲得できる」、という価値としては大きいが、遠い未来のメリットは小さく感じてしまうのです。

一方、「今、ネット動画を見て楽しい」、「今、二度寝をして心地良い」「今、仕事を後回しにして嫌なことから逃れられる」などの小さなメリットは、手を伸ばせば獲得できる程身近にあるので大きく感じらる。

結果、「将来の大きなメリット」より「今の小さなメリット」を優先する行動を取ってしまうのです。

後悔しても残しておくべき “ チカラ ”

大抵の「後悔」というものは、“ 目の前の「得」を優先したとき ”

「その場しのぎのメリット」はその場のメリットでしかありません。あなたにとって何も残らない。

例えば、早くお金が手に入ることを優先して、10万円が今すぐ簡単に手に入ったとしても、10万円を使ってしまえば何も残りません。

しかし、あなたが培ったノウハウを生かし、それが誰かの役に立ち、そしてその恩恵としてようやく10万円という対価を頂いた場合、10万円を使ったとしても、残るものはなにがありますか?

人との信頼、能力の向上など、あなたにとっての「チカラの蓄積」がしっかりと刻まれていきます。

とにかくウン万円がほしい、今すぐ稼ぐ方法を選択する、「金銭という数字」を手に入れることを第一に目的とするということは、「将来の大きなメリット」より「今の小さなメリット」を優先する行動を取ってしまうことです。

つまり、「本能的な思考」に支配されるということ。「理想的な思考」がつぶされてしまうということ。

自分にとっての理想もかなわない、何の蓄積も残っていない自分に後から気づくのです。

そう、「後悔」しか残らないということ。

結果が全てと論じるも、プロセスでどれだけ多くの蓄積をしたかが大切。

たとえ「後悔」したとしても、残しておくべき大切なことがあるということです。

後悔してもチカラを残したままにして今後のチャレンジに生かすか?

それとも、後悔しか残らないことをくりかえすか?

実らないうちは、無料奉仕でもいい、あなたの得意とするノウハウを提供することを第一の目的とすることが、後悔しない理想の未来を築く事となるだろう。