顧客ファーストのコンセプト

顧客ファーストのコンセプト

モノが溢れる現在では、スマートフォンの普及もあり、誰もがいつでもどこでも、欲しい「モノ」を手軽に手に入れられる時代になった。

単に性能のいい「モノ」を売るだけでは、今の消費者には満足してもらえない。それを買うとき、あるいは使うときに、どれだけ特別な「体験」が得られるかという「コト」のほうがより重要。

これが、「モノ」から「コト」へと消費者ニーズが変化していることについて語られるときの典型的な説明です。

機能や性能に成熟しつつある商品やサービスでは満足できず、感動、喜び、驚き、ワクワク感といった「体験」を求める多くの消費者のニーズは「モノの豊かさから心の豊かさに変わった」と言えそうです。

そして、「所有」から「利用」へ


成熟社会と言われる今の日本、生活に必要なモノやサービスに困ることはありません。本来、それは「幸せ」なことだが、当たり前になりすぎて実感することはなかなかできないでいるかもしれません。

日常に溢れているのは、どれも素晴らしく十分な性能を備えたものばかり。これが逆説的に意味するのは、生活者にとっては「どうしてもこの商品を手に入れたい!」という強い欲求を生み出すほどのモノが少なくなってきていて「モノの機能やスペックを一方的に伝えればヒットするというシンプルな時代ではない」という現実です 。

「製品中心」の流通販売チャネルから

製品を設計・製造・販売し、出荷する製品を起点とし、消費までのチャネル1)
販売チャネルは販売方法、もしくは販売を行う「場」を指します。販売するための経路であり、消費者が実際に購入を行う場でもあります。
は全てが完全に直線的に配置されている。

いわば、製品の都合で全てが決められるがゆえに、市場シェアを確保した大企業は、価格を上げ始め、製品の差別化によって儲けを得るという、利益の追求が企業の行動の全てを支配した。

消費者なあくまで流通チャネルの末端に在し、企業が売る製品を「所有」するか、「消費するだけ」の存在と見なされいるが、多くの消費者は、所有できないばかりか、パッケージ化された製品の購入に難儀していることに気づきはじめている。

企業も顧客に合わせて多くの戦略を実施したが、それは製品中心の発想にとって都合のよい顧客向けの戦略であって、あるがままの顧客を正しく理解した上での戦略ではない。

近代経営学の権威で知られる「ピーター・ドラッカー」は次のように指摘した。

企業は測定可能なものを管理しようとするため、経営チームはどうしても製品を中心に捉えて組織や戦略を考えようとする。

モノが売れる構造は大きく変化したのは、インターネット登場以前と以後だと言われています。

インターネットがまだ浸透していなかった時代は、モノの存在価値は企業側の製品力と、それを伝えるマスメディアの情報発信で形づくられていたといってもいい。

しかし、大量の情報が溢れる現在、従来型のマーケティング方法では、もはやその価値は消費者の芯には届かなくなってきました。

スマートフォンの普及により、消費者は溢れる情報を瞬時にネット情報から判断し、自分の感覚に合わないもの、興味のないものはスルーしてしまいます。

情報のリアリティは自分の感覚やセンスと合うメディアやSNSなどのコミュニティに依存し、さらに同時に自分の体験や経験を発信して周りから共感されることで、いまどきの価値は形成されている。

「顧客中心」の流通販売チャネルへ

さて、今日の消費者は、かつての何倍もの情報を持っており、素早く企業を研究し、評価し、選り分けている。

求めているのは、 好きな時に好きな場所で、製品やサービスの価格を決定し、論評し、購入する力を持っており、
 必要な情報やサービスが全ての適切なデバイスで、状況に応じて、必要な時に提供される  ことを期待しているといえる。

もはや、製品中心の販売方法では、消費者と真に直接的かつ、継続的な関係を確立させるリレーションシップは構築できそうにない。

  • 顧客と長期的な関係を気づくためには何をすればいいか?
  • 所有ではなく結果を期待する顧客に何をすればいいか?
  • どうすれば口コミでシェアしてもらえるか?
  • どうすれば継続的な価値を提供し、定期収益を得られるか?

サブクリプションサービスとは、言ってみれば定額制サービスだ。しかし、製品を中心とした定額制では何の変化もおきないだろう。

デジタル化がますます進化していく昨今、AI・Iot・5G・Pay・フリーミアムといったインフラがそのヒントとなり、相乗効果をもたらすのかもしれない。以下の目指すべきサークルのように。

世界を牛耳るプラットフォーマー「GAFA」とは

GAFAはいずれも米国のベンチャーIT企業。ほんの20年未満の歴史を持つこの4つのIT企業に私たちも何らかでお世話になっているのはいうまでもない。

検索エンジンとして、パソコンや携帯端末として、コミュニティーの連絡網や情報交換、そして生活に欠かせない必需品から嗜好品までクリックすると瞬く間に送付してくれる。

確かな事は、これらのIT企業が経済全体に大きな影響力を持っているということです。

しかし、なぜ、このGAFA四騎士が、世界経済を大きく変えたのだろうか?マイクロソフト社や、インテル社、サムスン、NECなど大手のIT企業との差はどこにあるのだろうか?

その違いは明確だ。マイクロソフトやインテル社はハードウェアやソフトウェアを開発知る半導体メーカーだ。一方、 GAFAといえば、先に説明したとおり、プラットフォーマー、つまり、「プラットフォーム」を提供する企業 だということです。

コンピュータが普及を始めた頃、業界で大きな力を持っていたのはコンピュータメーカーであり、 マイクロソフトは、長らくIT業界で支配的な地位を保っていたと言える。

だが、いま力を持つのは、ハードウェアや、ソフトウェアの新開発ではない。 顧客が欲しいと思われる機能を開発し、売る「プロダクト販売型ビジネスモデル」ではなく、必要に応じて必要な量だけのサービスを提供する新たな「プラットフォーム」が必要

なぜなら、 消費者視点で見れば、  モノを“ 所有 ”するのではなく、必要に応じて“利用”する消費スタイルを、すでに体験し、それが正しいものだと気づきはじめている からです。

世界経済を牛耳る「GAFA時代」、注目されつつある新たなプラットフォーム。

それが、 「サブスクリプション型プラットフォーム 」だ。

References   [ + ]

1.
販売チャネルは販売方法、もしくは販売を行う「場」を指します。販売するための経路であり、消費者が実際に購入を行う場でもあります。