「記憶のルール」に基づいた記憶法【第三回】完全記憶のスケジューリング

「記憶のルール」に基づいた記憶法【第三回】完全記憶のスケジューリング

それでは、前回までの復習を簡単におさらいしておきましょう。

人は、1回目の学習で覚えたことを「1時間で56%、1日で74%も忘れてしまう」ため、反復(繰り返し)して覚えなおす必要がある。

その2回目の反復は、タイミングが重要で、忘れかけた1時間以内に行うのがベスト。ということでした。

下図を見てみよう。

この図は、1回目の学習効果の記憶量と、忘れかけた30分後に反復学習したときの1カ月後の記憶量の違いを表しています。

1カ月後のそれぞれの覚えている割合(記憶量)を見ると、1回目の覚えている割合は約2割ですが、2回目の(30分後の反復)の覚えている割合は、約4割までアップしています。

「記憶のルール」に基づいた記憶法【第二回】反復の”タイミング”

1回目は「理解」、2回目は「すぐに反復」

ここで重要なポイントをいくつかいいますと、まず、1回目の学習で無理に覚え込もうとする必要はないという事です。

なぜなら、結局は徐々に忘れるため集中的に何度も声に出して発声したり、何回も書き込んだりなどの反復練習をしても、記憶の忘却は「時間の経過」により結局はわすれてしまうからです。

記憶を定着させるためには、集中して反復させるのではなく、繰り返す(2回目以降の反復)時のタイミングが重要です。

何度も言いますが、そのタイミングは、忘れかけた時がベスト。上の図は、忘れかけた30分後に2回目の反復学習を表しています。忘れかけたタイミングなので、ある程度は覚えているはずなので、1回目の学習よりも少ない労力で復習できます。

つまり、1回目の学習では、無理に覚え込もうとしたり、丸暗記しようとせず、“ 理解すること ” を中心に学習するようにすること。

そして、2回目の学習は、1時間以内に行うのがベストタイミング。という事です。

大抵の人は、1回目の学習をして、その後1時間以内に復習をするなんてことはしません。なぜなら、覚えたばかりなので、すぐに覚えなおす必要はないと思っているからです。

しかしそれが大きな間違い。

エビングハウスの忘却曲線によると、覚えたことは、「1時間で56%は忘れる」でした。その記憶の仕組みを知らないがために、「覚えたつもり」になって、そのまま先に進めてしまうのです。

確かに、自分の感覚では「覚えた」のかもしれないけど、時間とともに忘れていくのだから、それは“ 脳内で「覚えている」わけではない” ということ。

それに、一時間以内ならば、半分以上は覚えているし、残りの半分も忘れかけているだけだから、もう一度繰り返すことによって、すぐに思い出すことができます。

これからは一度覚えたと思ったら、その場でもう一度繰り返すこと。

これが確実に、しかも効率よく覚えるための鉄則であり、「記憶のルール」の第一ステップです。

3回目・4回目の復習タイミングで完全記憶!

さて、もう気づいた方はいらっしゃると思いますが、上の図をよく見てみると、30分後の反復を行なった時の記憶量、つまり、覚えている割合は、約4割です。

私達は、できる限り100%に近い記憶を目指しているはずです。なのに、その半分以上も忘れている。

1回目の記憶量(約2割)よりも、2回目の記憶量(約4割)は、およそ2倍の記憶の定着効果はあるものの、結局は完全には覚えていません。

なので、2回の復習だけでなく、タイミングを図って、3回目・4回目と、再び反復(繰り返し)しないと完全に記憶の定着はしない。という事です。

下の図をご覧ください。

3回目の復習を1日後、4回目の復習を、1週間後に行う事で、徐々に覚えている割合がアップしていることがわかります。

いずれにせよ、2回の復習だけでなく、3回から4回の繰り返し覚えなおす事をしないといけません。

そこで重要なのは、そのタイミング。忘れかけた時に再び覚えなおすことで、記憶の定着率は積み上げ方式にアップしていくのです。

忘れかけたタイミングは、ある程度覚えているので、回を重ねるたびにその労力は少なくなっていくので、復習に掛ける時間を節約できる。ちょうど上の図の「みどりの線」がそれを示しています。

3回目、4回目を、いつのタイミングで行うのがベストなのか?

ここでは、3回目を1日後、4回目を1週間後となっていますが、このパターンが絶対とは言い切る事はできませんが、最も効果的なタイミングだといえます。

3回目を36時間後にしたり、4回目を10日後にしても、もちろん効果は十分にあります。多少の時間の誤差は気にすることはありません。

通常、2回・3回・4回と、復習するたびに記憶の定着度合いが高くなっていくのは間違いないとので、この復習スケジュールでほぼ問題ないとは思いますが、ご自身のスペースに合わせて頂いても大丈夫です。

2回目の反復は、すぐに行なうのが重要ですが、3回目、4回目以降の反復は時間を空けすぎないようにしましょう。

何度もいいますように、忘れかけたタイミングに覚えなおすことは、ハズせないポイントです。

忘れかけたタイミングをどう図るか?

さて、記憶の定着は、繰り返しの反復が必要で、忘れかけたタイミングに行う事が大切だと。説きました。

しかし、先ほどからいってる「忘れかけた」そのタイミングは、いつなのか?
そう思ったはずです。

実は、それを確かめるのは簡単で、例えば、1回目に英単語を30個覚えたとします。この時、無理矢理詰め込むように覚える必要はありません。

2回目は1時間以内に再び30個を覚えているかどうかをチェックします。おそらくほとんど覚えているでしょうが、それでいいのです。

そして、3回目を24時間後、つまり翌日にもう一度、英単語30個を覚えているかどうかをチェックします。

その際、ある程度記憶できていればそれでOKです。10個覚えていようが、20個覚えていようが、ある程度記憶しているという事は、「忘れかけているベストなタイミング」だという事です。

では仮に、3回目を半年後に行ったとしましょう。その時、記憶しているのは30個の内、たったの5個しか覚えていない。もしくは、完全にわすれているなんてこともありうるかもしれません。

そうなると、また改めて覚えなおさなくてはいけない。実に非効率です。

さて、今回はここまでです。記憶のルール・その壱「反復はタイミングが重要」について、2回にわたり学びました。

次回は、記憶のルール・その弐「脳が記憶を定着させる条件」について学びます。

脳がいかにして、情報を「記憶」するのか?その特性を知る事で、どのような記憶法が最適なのかを知る事ができます。