「逆境」に直面した時はこう考えてみよう

「逆境」に直面した時はこう考えてみよう

「あのアスレチックスのハドソン投手は、できれば対戦をしたくない苦手のピッチャーですか?」

「いえ、彼は、私というバッターの可能性を引き出してくれる素晴らしいピッチャーです。だから、私も練習をして、彼の可能性を引き出せる素晴らしいバッターになりたいですね」

2004年。年間262安打の史上最高記録を出した、元野球選手のイチローさんの、とあるインタビューの言葉。

さすがイチローさん。彼にとって、「苦手のピッチャー」は、自分の可能性を引き出してくれる「素晴らしいピッチャー」だという。

このイチローさんの言葉は、僕たちが遭遇する「逆境」というものを、どう受け止めるべきか、どう捉えるべきかについて、大切なことを教えてくれている。

逆境とは、自分の可能性を引き出してくれる、またとない成長の機会なんだ、と。

あなたは逆境に遭遇した時、どう受け止めるだろうか。

逆境にヘコんでしまう理由

上手くいかないことがあると、「自分は何にもできない・・・」と自分に対して悲観的になってしまいます。

本来なら挑戦しようと思うことも、自分には無理だと思い込み、挑戦しなくなってしまうかもしれません。

どれだけ精神的に強そうな人でも、必ずヘコんでしまい、やる気は下がってしまいますよね。そのやる気は他のことにも影響します。何もしたくない、家でずっとゴロゴロしていたいという心理状態になってしまうかもしれません。

逆境によって一度ネガティブな気持ちになると、他のこともネガティブな視点で見てしまう。本当はポジティブなことでも、ネガティブに捉え、全てのことをマイナスな捉え方になってしまいます。

なぜだろうか?どうして人はヘコむと落ち込んでしまうのでしょうか?

それは、逆境に直面したとき、「なぜ、こんなことになってしまったのか・・・」という過去への後悔や、「これから、どうなってしまうのか、この先どうるしゃいいんだ・・・」という未来への不安にばかり意識が向いてしまうから。

今起きている、自分が感じている目の前の逆境に対して、「この逆境を、どう越えていくか」と、現状を直視し、それがどういう意味があるのかを考えようとしないから。

つまり、逆境というのは、「深い意味」があり、起きることはすべてにおいて、良いことだと捉えることができるということだ。

逆境には「意味」がある

誰だって逆境に直面したその直後は、その心の混乱に陥ります。

様々な心の混乱はあっても、時間が経つとともに冷静さを取り戻すが、問題は、その後。

起きてしまった事は、すぐにでも忘れ、心の中から追い払おうとして、辛い気持ちをリセットさせることばかりにエネルギーを使ってしまいます。

だけど、その逆境には、何かしらの意味があり、何かに気づけるせっかくのチャンスの機会だということのほうが圧倒的に多い。

逆境に直面し、落ち込みヘコんでしまっても、すぐに「この逆境には意味がある」とおもえるかどうかが、すごく大切なんです。

つい、なんでこんなことになったんだ、とか、やっぱり自分はダメだと悲観的になったり、この先どうなるのかと不安になってしまうけど、せっかくの逆境という遭遇の機会なんだから、「いったいどういう意味があるのだろうか」と考えてみるだけで、ずいぶんと気持ちは楽になるはずです。

心の方向性は、過去でも未来でもなく、今の逆境にどういった意味があるのかを考え、「起きていることは、結局は良いことにつながる」のだと自分にそう決めつけていいくらいなんですよ。

どんな辛く苦しい逆境でも、「起きることはすべて、良いこと」だといいましたが、それは単なる楽観的になろう、ということではなく、真実としてそうなんだということだ。

あなたも経験はあるはずです。自分の過去の「辛い体験」が心の中に浮かび、心の中を巡り、「あのつらい経験をしたからこそ、今こうしていられるんだ」ということに、「気づき」を得たことは度々あるはずです。

まさにそれが、過去の逆境という辛い経験には、必ず何かしらの「深い意味」があり、それが良いことにつながるということに気づけた瞬間です。

普通は誰だって、逆境に直面した時に、「この逆境には意味があり、良いことにつながるんだ」と、頭の中で言葉の理解はできても、気づくことはできません。そんなもんです。

よく、「必死に努力をすればいつかは必ず成功する」というメッセージを耳にしたりするが、言葉の理解はできても、気づくことはできません。

しかも、努力をしたからといって、必ずしも成功するとは限りません。

「努力をすれば必ず成功する」というメッセージは、よくよく考えてみると、その言葉に真実なんてあろうはずがないのです。

この言葉を冷静に解釈すると、精一杯の努力をする人への「温かい励まし」にすぎないというのが真実だったりします。

だからといって、努力をしても意味がないということではありません。

努力、逆境に込められた深い真実

必ず成功するという真実は保証できないかもしれないけど、努力なしに成功は絶対ありえない。そのことはあなたも理解できるはずです。

何かの目標を持ち、その達成を目指して歩んだとき、どれほどの努力をしたとしても、その「成功」は約束されていない。

それが真実。

しかし、もし、本当に力を尽くし努力をしたならば、その目標が達成できなくとも、必ず「成長」はしている。

「努力をすれば、必ず成長する」というのは、まぎれもない本当の意味での「真実」なんです。

そう。僕たちが、「成功」だけを目指して努力をするかぎり、成功という「良いこと」と、失敗という「悪しきこと」に分かれてしまう。

そして、その失敗という「悪しきこと」に直面したとき、心は挫けてしまうんです。

だけど、「成功」とともに、「成長」を目指して努力する意識を持つことができたとするならば、それがどれほどの「失敗」であっても、どれほどの「逆境」であっても、それを「成長」に結びつけていくことができるのです。

そして、そのことを通じて、「失敗」や「逆境」を、「良きこと」へと転じていくことができるのです。

逆境というのは、「成長」という深い意味があり、そのことは真実だということ。

また、そうして努力をし、いかなる失敗や挫折があっても、心が挫けることなく、それを深い学びの機会として「成長」を続けていくことができれば、成功というゴールにたどりつける。

成長しない限り成功はない。

逆境という、せっかくの「成長」のチャンスに遭遇しないかぎり、「成功」することはない。

これこそが「真実」であり、逆境というものが「深い意味」を表しているということです。

イチローは、この真実を信じていたからこそ、逆境に直面したときであったとしても、「良いこと」だと捉えることができたのだろう。

そして、この真実に気づけたのは、イチローさんだけでなく、「あなた」もだ。