未来を担う “ プレミアム ” な無料

未来を担う “ プレミアム ” な無料
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基さん

「無料」で儲けるフリー戦略。さぁ、今回は、21世紀を担うフリーモデル「フリーミアム」について説明しよう。

“ フリー世界の王様 ” が掲げる無料の価値観

ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる──── 。

この有名な文言は、「Google が掲げる 10 の事実」に1番目に掲げられている。

後に続く9項目より、とりわけ強烈な印象を与えるのは、インターネットユーザーにとっての使い勝手を追求し、過去に存在しなかった斬新なサービスを「無料」で提供し続けた結果、グーグルという存在が、“ フリー(無料)世界の王様 ” の存在を体現するものだからだ。

「Gメール」をはじめとする有料製品を凌駕する50以上の無料製品を提供し、世界中の業界が、当惑するのをよそに、着々とユーザーの支持を集めてきた。

それにしても、なぜ、グーグルは次から次へと使い勝手のいいサービスを「無料」で提供し続けるのだろうか?

「無料」=「タダ」の魅力に引きつけられ深く考えないで利用するユーザーもいれば、一方で、「いったいどうやって儲けているのか?」というこの種の疑問を抱くユーザーも多く存在する。

すると決まって、「グーグルは広告収入でなりたっている」という解釈に至るかもしれません。

確かに、広告収入でがっぽし儲けているからこそ、様々なサービスを無料で提供できているように見えます。

ですが、「Google が掲げる 10 の事実」に1番目に掲げられているように、それは、後から付けた理屈 に過ぎない。とグーグルは断言している。

21世紀の「フリー戦略」

20世紀から、無料で商品を配ったり、ある商品を無料にして別の商品の需要を作り出すビジネスモデルはたくさんあった。

しかし、「無料」というものに良いイメージはあまり持たれない。というのがこれまでの「無料」に対する印象だ。

常識的に考えれば、それが一見無料に見えても、どこかでお金を払っているというのが道理だからだ。「タダより高いものはない」と言われるように、後で無料で貰ったもの以上の対価を払わされるという考え方は根強い。

無料で何かを貰えるなんて詐欺だと感じる人は多いし、実際に今もそういう種類の詐欺まがいのことをしているサービスはある。

無料で購入したものは、後で必ず何らかの形でお金を出さなければならない。無料をダシにして結局は金を払わせる。この世間の定義は、古き良き20世紀の「無料」モデルであることを理解しなくてはいけない。

21世紀のフリー戦略は、これまでのマネタイズとは異なることを理解する必要がある。

21世紀の無料戦略「フリーミアム」とは

今回は、フリー戦略の3つ目のモデル「フリーミアム」についてご紹介します。

フリーミアムとは、「無料で基礎的なサービスを利用することが出来る一方で、さらなる高品質のサービスや機能を利用するためには料金が発生する仕組みのビジネスモデル」をいう。

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お試し商品や無料体験、サンプル品を無料で一定期間使用し、それが気に入った場合、さらにバージョンアップした有料商品やサービスを継続購入できる仕組みです。実はすでに多くの方がこのフリーミアムを利用しています。

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孝タロー

初め無料で使って、気に入ったから有料のモノを申し込む。というものですね。 え~っと、例えばどんなものがありますか?

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フリーミアムを活用し成功したサービスは様々ですが、国内で身近なモノを挙げるなら、「cookpad(クックパッド)」が有名です。

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孝タロー

「クックパッド」ってたしか料理のレシピのサイトですよね?僕は料理しないから全然知りません。

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そっか。考タロー君には例えとして適してなかったかもしれないね。簡単に説明すると、「cookpad(クックパッド)」は、料理レシピのコミュニティサイトで、誰もが無料で、一般投稿者の料理レシピを閲覧することができます。そして月額280円のプレミアム会員になると、人気レシピが分かる人気順検索、栄養管理士による毎日の献立やプロのレシピが見れたり、クーポンがつくなどの特典があります。

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孝タロー

なるほど~。料理が好きな人や、毎日の献立に悩む主婦の方、それに健康を気にしている人にはありがたいサービスですね。

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そうです。有料で申込みして頂くには、まず、無料サービスで気に入ってもらい、さらに課金へ誘導するためにはお得を感じさせるオファーや、「こんな特典がありますよ」という限定的なオファーをすることが大切です。

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孝タロー

なるほど。でも、有料会員になる人ってそんなに多くいますか?「無料」という事で満足している人の方が圧倒的に多いように思えるのですが?ところで「フリーミアム」の儲けの仕組みはどうなっているのですか?

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するどい!そうなんです。実は、無料から有料会員になる方はおよそ全体の1~2%くらいが平均だとされています。しかし、「フリーミアム」戦略は、ちゃんと利益がでる儲けのカラクリがあるのです。

フリーミアムの “ 儲け ” のカラクリ

20世紀の無料サービスといえば、「ウォーターサーバーは無料で支給ですが水は定期購入してください。」といった場合や、「携帯機器本体は無料でプレゼントしますが、月々の通話料通信料はかかります」といったもの。

「無料」という響きでお得なように感じますが月々のランニングコストがかかってしまうために、結局はお金を払っている状態になるという仕組みでした。

しかし現代になり無料の戦略も形式が変わりました。上記で述べたようにユーザー全体の一部が有料で使ってくれれば大半のユーザーは無料でも構わないという仕組みです。

そして、まさにこの仕組みを成り立たせるために大きな役割を果たしてくれたのが「デジタル化」というものでした。

デジタル化が進んだことによってデータの複製を容易に行えることが可能になり、一つ作ってしまえば10人に配るのも100人に配るのもコスト面でそれほど大差なく低いコストで行えることが出来るようになったのです。

これこそ、フリーミアムというビジネスモデルが誕生しここまで普及した理由であり、「ユーザー全体の10%が有料で使ってくれれば残りの90%のユーザーは無料でも問題ない」という仕組みが成り立つことになったのです。

つまり、一部のお金を出してくれる人に乗っかって、他の大勢の人がそのサービスを無料で享受できるというものです。そこに、大きな「無料」に対する価値観の更新があるのです。

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では、もう少しわかりやすい例えをご用意したのでみてみよう。


あるお店に、1個100円のリンゴが売っていました。Aさん、Bさん、Cさんがそれぞれリンゴを買う場合、当然それぞれ100円を支払わなくてはいけません。その時のお店の売上は300円です。

そこで、お店の定員さんが、1個100円のリンゴを使ってアップルパイを作り、300円で売る事にしました。

Aさんは、リンゴよりもアップルパイが食べたかったので、300円を出して、アップルパイを買いました。

太っ腹なお店の定員さんは、売上は300円のままでいいという事なので、Bさんと、Cさんのリンゴを「無料」にしました。

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いかがでしょう。1人の有料購入者からの儲けにより、残り2人を無料で販売できる。という仕組みです。つまり、たとえ少数の有料会員の儲けでも、その他多数の無料利用者にかかるコストをカバーできるというのが、「フリーミアム」の儲けのカラクリであり、デジタルならでわの儲け方です。

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基さん

次回は、さらにフリー戦略の謎と展望に迫ってみようと思います。最後まで読んでくださりありがとうございました。バイバイ!