結果を左右するのは、努力よりも「○○力」

あなたは、「やる!」と誓ったことは、やるタイプですか?
そんなあなたは、「意志力」が高い人です。
「 意志力」とは、 誘惑に打ち勝つ強さがある、自分をコントロールして物事を成し遂げる力のこと をいいます。
しかし、そんな強い自分の「意志力」も、自分自身の「想像力」には勝てない。というお話です。
「想像力」は「意志力」に勝る
「やる!」と誓った時、「できる」と想像できた時は、迷わず実行するでしょうが、条件によっては、「できないかもしれない」と想像してしまった時、迷いと躊躇いが生じ、場合によっては強い意志をもってしても、実行に移せない時があるのではないでしょうか?
つまり、「やる!」と強い意志力があったとしても、「できないかもしれない」という「想像力」が勝ると行動できない。ということです。
では、一つ試してみましょう。
幅は60cm、長さ5mの1枚の木の板があなたの目の前の床の上にあります。床につかないように板の上を歩けるかどうかを想像して下さい。

床に足をつくこともなくいともたやすく平気で渡りきる想像ができるはずです。
次に、この板を二つの支脚で支えて「1mの高さの空中に置いて同じように渡れるかどうか」を想像してみよう。
さぁ、 今度は、バランスを取らないと床に落ちてしまいそうです。
1mの高さなら、どうにか渡れると判断し、少しぐらつくかもしれないが、何とか上手く板の端までたどりつけると想像するでしょう。
それでは今度は、同じ幅の板を「二つのビルの谷間の空中20mの高さに吊り下げて渡れるかどうか」を想像してみて下さい。
おそらくあなたは、渡れるかどうかよりも、板の端でふらつきながら体を後ろへそっくり返らせ転落するリスクを頭に描く想像をしたはずです。
さらに、板の端で震えながらおそらく「風が吹いたらどうしょう!」と思うことでしょう。
渡る木の板の長さも幅も全く同じなのに、高さを変えるだけで自ら勝手に想像力を膨らませ、できるかできないかを判断してしまう。
実際、 板が床の上にある場合は、確かな足どりで威勢よく渡れるが、20mの高さになると、足が震えます。
板の上を渡ろうというあなたには、確かに「意志力」がある。
しかし、 「意志力」のすべてを総動員しても、20mの高さ板を渡ることはできないのはなぜか?
あなたの中のイメージが、つまり、「想像力」が「意志力」に勝るからです。
ここでいう「意志」とは、「こうしたい、こうなりたい」と思っている意識で、「想像」とは、「自分では意識していないが、ふと想像してしまうこと」。すなわり、無意識のこと。
専門用語を用いると、意志は「顕在意識」、想像は「潜在意識」に区別されます。
努力逆転の法則
さて、あなたはいつも、「やる!」と心に誓う事はあっても、なかなか実行できないことがあるとするなら、知っておかなくてはいけないことがあります。
あなたの、その「やる気」と努力を無駄にしないためにも、まずは、「努力逆転の法則」について理解しておいてもらいたい。
これは、その名の通り、頑張れば頑張るほどその努力とは反対の結果になってしまうという法則です。
これだけの説明では、「納得いかない」でしょうからこれから解説していきます。
何かを成し遂げるとき、誰しも「努力が第一!」
一に努力、二に努力、三四がなくて、五に努力。というように、極端に「努力の鬼」と化す人も実は多い。
仮に、失敗してしまった際、あなたはきっと、「努力が足りなかった。」「もっと頑張らないと!」とさらに努力を上乗せしようとするだろう。
しかし、その努力も、「いい努力」と「悪い努力」があることを理解しないといけません。
それは、「そもそのやり方が間違っている」とか、「見当違いの事をしている」といったものとは別のもの。
それは、「いいイメージを想像しているかどうか」というものです。
冒頭の木の板を渡るエピソード事例を思い出してみよう。
渡ろうとする「意志力」と、渡れるかどうかの「想像力」では、圧倒的に「想像力」が勝ることが分かったはずです。
恐怖のイメージ(想像力)は自分の意志をも凌駕するほどの恐ろしいほどの影響力を持っている。という証拠です。
つまり、どんな時でも人は、「想像力 > 意志力」という法則が成り立つという事です。
ここまでは、容易に理解できると思います。
ここからが重要です。
頑張る、努力する、張り切ってやる、などのあたなの「意志」は“プラス思考”です。努力をしようと意気込む姿や行動は誰が見てもよいものだと感じるからです。
しかし、その際のあなたの「想像」が、“ マイナス思考 ”である可能性がある。
先ほどの、「10mの高さの板を渡るエピソード事例」の想像は、「落ちるかもしれない・・」というマイナス思考でイメージしています。
渡ろうとする「意志」(プラス思考)
転落するかもしれない「想像」(マイナス思考)
このように「意志」と「想像」が相反する場合、次の法則が成り立ちます。
では、もう少しわかりやすく解説してみます。
あなたが、「頑張ろう!」という「意志」の力で努力しようとしても、頭の中の「想像」が悪いイメージだと、後者の悪いイメージが勝つ。
これは、先ほど説明したとおり、「想像力 > 意志力」ということで、どれだけ意識的に「やる!」と誓っても、「できないかもしれない」とイメージ(想像)している限りは、無意識的に強い意志が負けてしまう。
そして、あなたが、「頑張ろう!」という「意志」の力が強い場合、頭の中の「想像」が悪ければ、倍以上のイメージを膨らませることとなる。
つまり、努力しようとする強い意志があったとしても、頭の中の想像が悪ければ、いずれも「悪い想像力」通りの結果となる。努力すればするほど、悪い想像どおりの良くない結果をうみだしてしまう。
「成功するだろう」と思った人は成功する事に成功しているが、
「失敗しそう」と思った人は失敗する事に成功する。
これが、「努力逆転の法則」です。

自分勝手に、プラスのイメージを想像 しよう!
努力しようと頑張る事も大切ですが、頭の中のイメージが悪ければ、かえって悪い結果になる。
過去の経験や体験に支配されてしまうと、どうしても「悪いイメージ」を想像してしまいがちです。
あなたが夢見る想像は、今までの結果にとらわれてはいけない。
自由に、自分勝手に、プラスのイメージを想像しなくてはならない。
「想像力」は必ず、「意志力」に勝る。
「意志」でやることを決めたら、「想像」では、やった後の良くなった状態を思い浮かべることが実行を助ける大きな力となるということです。
また、「意志」が決まらず迷っていても、ふと良い状態を「想像」することで「意志の力」がつき、決断できることもあります。
プラスのイメージ力が強い者は、努力以上の結果を生み出すことを理解しよう。
これからは、見た目のパフォーマンスよりも、頭の中のパフォーマンス力を鍛えていこう。
未来の自分をイメージする「想像力」は全ての土台。
どれだけ頑張っても、「想像力」が悪ければ、その努力も報われません。
どれだけ知識を獲ようとも、想像力が悪ければ、その知識も生かされません。
どれだけ周りの人がエールをおくっても、想像力が悪ければ、その激励も響きはしません。
「想像力」というものはそれだけ威力があるという事です。
「知識」には限界があるが、「想像力」には限界がない。
「知識」は普通、「想像力」があれば、無限に創出できる。
つまり、想像力が無限なのであれば、知識もそれに比例して無限になるだろう。
-
前の記事
「文脈」の及ぼす役割とその効果は
-
次の記事
「サンクコスト」の呪縛