世界で愛され続けている、知られざるニッポン独自の “ アレ ”

世界で愛され続けている、知られざるニッポン独自の “ アレ ”

必要なのは「独自性」 。

商品に「独自性」がない限り、国内は然り、世界で通用しない。

顧客が商品に対して、価値をおく要因の一つに、どれだけ「独自性」があるかによる。と言っても過言ではない。

独自性がある商品とは、すなわち他の追随をゆるさない価値観があり、商品名とともに「ブランド」として君臨する。

モノが溢れる今の時代、ブランドとして「独自性」を磨きあげていくことは、 “ してもしなくてもいいこと ” ではなく、オリジナルを出すために不可欠なこと。

時代の変化の激流に飲み込まれることなく、着実に成長し発展するためには、商品の「ここがいい」といった “らしさ ” が大切だ。

私たちの身の回りには、独自性を醸し出すオリジナリティ溢れる商品は多くあります。

家電、家具、衣類、通信機器、車など、次々と世に出る新商品には、差別化された独自性がある。

しかし、意外と認識されていないが、我が日本国の「お菓子」には、世界に通用する「独自性」があることに気付いているだろうか。

模倣されない国内菓子メーカーの技術力

日本のお菓子といえば、やっぱり「和菓子」ですか?

菓子職人のセンスと技が生み出す四季折々の和菓子はいわずもがな、その風流な佇まいから、お菓子の域を超えた、まさしく「食べる芸術品」。

しかし、国内が誇るお菓子は「和菓子」だけに終わらない。ポテトチップスとかプリッツとか、フツーにコンビニとかで売ってるみんな大好きスナック菓子にも、菓子メーカーの発想と技術がこめられているのだ。

ちゃんと独自性のある「ニホン芸」を表現し、お菓子という「製品」は、お菓子という「商品」と化し、そのブランド力は世界中で愛され続けている。

お菓子の中でも「キャンディー類」は国外問わず、業界内でもかなりの激戦商品で競合も多い分野だとされる。

そんなキャンディー類の中で王座に君臨した、ロングセラーが森永製菓より生み出された。

キャラメルでもなく、ガムでもない、全く新しいカテゴリー。食べているうちに自然と口の中で溶け、ガムのように後始末の必要がないし飴のように食べるのに時間がかかるという事もない。

「チューイングソフトキャンディ」という新たな独自性が虜になってしまう優れもの。

「ハイチュウ」ですね。この唯一無事の新食感は、発売以来ずっと、廃ることなく誰からも愛され続けたロングセラーとなった。

国内人気はもちろんのこと、アジアや欧米など地域を問わず海外における人気を着実なものとし、アメリカのメジャーリーガーに愛され、球団から依頼を受けスポンサー契約までしてしまったのだ。

海外の「Hi-CHEW(ハイチュウ)」のCMです。愛され親しまれているのが伝わります。

年間で約3000種類以上の新商品の菓子類が菓子メーカーから開発され、そのほとんどが1年以内に消えていくと言われている。その熾烈(しれつ)な競争が繰り広げられる厳しすぎる世界だとされている。

菓子類に求められることは、味、食感、食するシーン、手ごろ感、食べやすさ、後始末にこまらないなど、食べる側を楽しませ、尚且つあきさせない工夫などが求められる。

それらの難関をクリアし、さらに独自性を出すからには、他に真似され市場に埋もれることのない「発想力」とそれを実現する「技術力」がなければ海外進出には不可欠なのだろう。

実は、森永製菓ではハイチュウの新食感ともいえる「チューイングソフトキャンディ」は昔、「森永チューレット」という製品がもともとあった。

「子供が飲み込んでも大丈夫なチューインガム」、「食べられるガム」を求める消費者の声に応じる形で開発され、パッケージには「森永チューレット 食べられるチューインガム」と記されていた。

既に人気商品となった森永チューレットは昭和50年、品質改善と商品の活性化を図るためにハイグレード化され、「ハイチュウ」とネーミング化されたそうです。

ハイグレード(High grade)なチューレットで、「ハイチュウ」というわけですね。なるほど。

ハイチュウは、移動中やちょっとした空き時間などの口寂しい時や小腹が空いた時の、まさに救世主なキャンディ界のエンペラー。

あ~、何だかハイチュウが食べたくなってきた。

世界で通用するブランド菓子の戦略

さて、かなり「ハイチュウ」の独自性を持ち上げてしまったが(極端なくらい)国内菓子には、ハイチュウに引けをとらないブランド菓子はまだまだまだまだある。

グローバルブランドとしての道を着々と歩んできた「ニッポンオリジナル」の「ながら食べ」ができるという唯一無二のお菓子といえば、あなたは何が浮かび上がるだろうか?

たとえば、江崎グリコの「ポッキー」。

「ポッキー」はヨーロッパやアジアを中心に海外30か国で年間で約2億箱以上を売り上げているそうです。おそるべしだ。

フランスでは、チョコレートコーティングのお菓子でありながらも、持つところがあり「手が汚れない形状」という独自性が受け、一気にロングセラーとなった。

おもしろいことに、「ポッキー」ではなく「MIKADO(ミカド)」という商品名で売られていることろだ。現地の代理店からのアドバイスで変更したらしい。

ところで「MIKADO(ミカド)」ってなんだ?ですよね。一見「帝(みかど)」なのかと思ってしまいますが、「MIKADO(ミカド)」とは、フランス(ヨーロッパ)ではポピュラーな、竹ひごを使ったテーブルゲームのことをいいます。知らないですよね。

その「MIKADO(ミカド)」というゲームで使われる棒状の竹ひごに似ているところから名づけられたという。

我が日本の「ポッキー」という商品名の由来は、「ポッキン、ポッキン」折れるスナックという意味で名付けられたそうですが、よく考えてみれば「ポッキン、ポッキン」って日本語じゃん。

海外で「ポッキン、ポッキン」で「ポッキー」といわれても「Why?」ですよね。

実は、ヨーロッパで「ポッキー」という商品名を使用しないで、わざわざ改名しなくてはいけない理由あった。

その理由は「pox」という英語にあるようで、これは「梅毒」や「水疱」などをイメージさせる言葉です。「Pocky」という商品名のままでは「pox = 病気の名前」を連想させてしまうため、よくないとされたのです。

日本の「ポッキー」は元気ハツラツ、明るく陽気なイメージだが、ヨーロッパでは「病名?!」、そりゃ変更したくなるのもわかる。

その点、「MIKADO(ミカド)」は大人なイメージで売り出されており、味もより濃厚で、ブランド・アイデンティティは完璧に異なるのだとか。

インドネシアでは「ラマダン明けのポッキー」という戦略で売り出され、人気を博している。また、まだまだ貧困層の多いタイでは、袋入りの「ポッキー」がわずか18円で売られている。

海外にブランドを広め浸透させていくには「ブランドを統一するのは大原則」であり、その上で、現地の嗜好に合わせて味等を調整するのが道筋とされています。

それでも「ポッキー」がヨーロッパでは「ミカド」、インドネシアでは「ラマダン明けのポッキー」という異なる商品名であったとしても、「成功」を収められたのは別の次元でヒットしたからである。

一概にはいえないが、ポッキーの「ながら食べ」ができるという、 “ 食べるシーンを提供し、行動をデザインした ” その独自性にあるのではないかと思われます。

お菓子と言えば、美味しいというだけでなく、どんな場所で、どんなシーンで食べたいとかあるじゃない。

江崎グリコの「ポッキー」は、食べるシーンをユーザー任せにするのではなく、こちら側から「ポッキーを食べるシーン」を提案してあげるという販売戦略をとったといいます。

「こんなときにポッキーを食べるといいですよ」という感じで、そのシーンを生活の中にたくさん張り巡らせることで、購入機会を増やしたとされる。

食べるシーンを想定してデザインするお菓子開発は、かかせない要素なのだろう。

たとえば他には、女子高生がカバンに入れてもつぶれなずにいつでもササッと食べられる。というシーンを想定して開発された、カルビーのカップ型お菓子「じゃがりこ」はまさにそう。

受け継ぎ、受け継がれ続ける「NIPPON’s お菓子」の浪漫

ハイチュウの新食感という独自性、特定の食べるシーンを想定した独自性。ニッポン独自の「お菓子力」は世界で愛される、空前が絶後する誇りであり、日本のお家芸なのだ。

何が「お家芸」なのかって?

たとえば、日本でよく見かける「クッキーの詰め合わせ」は、何が発想の元になったかご存じだろうか?

「幕の内弁当」である。一枚一枚丁寧に包まれ、詰め合わせられたギフト用クッキーは、海外であまり例がない。

この技は「おもてなし」日本のお家芸所以たるもの。

実は、日本国内のお菓子のルーツを辿れば、海外から輸入されたお菓子が原型だという。

しかしそれらのお菓子の原型をさらに改良を重ね、きれいに仕立て直したのは我が「ニッポンのお菓子企業」なのです。

もともとあるモノをさらに進化させるニッポンならではの伝統的な技術力だ。

お菓子がニッポン国内で、磨かれる伝統芸は、ガラパゴス化ともいえるように独自に進化し、「ハイチュウ」「ポッキー」「じゃがりこ」などの追随を許さない新種が生まれた。

「NIPPON’s お菓子」は今後もさらに世界で芽を出し、花を開き、実を結んでいる光景にニッポンの「ロマン」を感じるではないか。

甘いものが苦手で、お菓子なんてほとんど食べないという人も、ニッポンのお菓子作りの「発想」と「技術」は、想像以上に「甘くはない」ことを誇りに思っておこう。

こりゃぁ子供達とかに「お菓子ばっか食べちゃダメ」とはいいずらくなってきたぞ。