「ついで買い」してもらう販売手法は○○がポイント

「ついで買い」してもらう販売手法は○○がポイント

ハンバーガーショップのレジで、ハンバーガーを注文した時、店員さんから「ポテトもいかがですか?」というセールストークはおなじみ。

客単価を上げるために、フライドポテトを購入させしめんとするハンバーガーチェーンの常套句であることはすでにお見通しなのだが、そのスマイルで、その言葉を言われると、確かにポテトと一緒に食べるのも悪くないな、という気持ちになってしまいます。

実際ポテトは食べたかった。そして、注文してしまう、「Lサイズで。」

いつの間にか感情でモノを買い、Lサイズのフライドポテトを正当化しているではないか。

スーパーやコンビニには、ついつい買わされてしまう棚があるという。それは、「レジ横の陳列棚」。

コンビニでは、必ずレジのところに棚があって、ガムやライターなどが置いてあります。スーパーでもレジ横に、羊羹やあられなどのお菓子類、お店によっては、ゴミ袋や乾電池などが置いてあります。

このレジ横陳列棚にある、ガムやお菓子、ゴミ袋。これらの商品は、それだけだったらなかなか手にとらないが、レジに並んでいると、「つい」手にとって買ってしまうことはよくあることです。
 
しかもコンビニやスーパーなどでは、この「つい」買ってしまうレジ横商品は、単価が安いものが多く「ついで買い」しやすい。

ついでに買ってしまうシーンは、まだまだあります。

アマゾンのWebサイトで商品を購入すると、「この商品を買った方はこちらも購入しています」という「レコメンド」とよばれる「あなたにおすすめの関連商品」が表示されます。

これらはすべて、「ついで買い」を誘おうという “ クロスセル ” の販売戦略です。

クロスセルとは、顧客に当初希望された製品とは別の商品、または関連する商品の追加購入を勧めるアプローチ販売戦略で、一人当たりの購入商品の点数が増加するため、顧客単価が上がり売り上げを伸ばせるのがメリット。

また単品では売りづらかったような商品も関連商品として組み合わせることで、一緒に売り上げることも可能になる。

このクロスセルが成功した顧客は “ リピーターになってくれる可能性が高い ” ことも知られている。

なぜなら、クロスセルは商品の必要性を認め、満足してくれた結果のアクションだからです。

ついで買いは「タイミング」

「ついつい買ってしまう」を狙うクロスセル販売の手法は、購入した商品に関連性があるから、という理由で「ついで買い」しているだけではありません。最も需要なポイントがあります。

先述の事例で説明してみると、ハンバーガーチェーン店で、ポテトを薦められたのは、ハンバーガーの購入を決めたレジ会計の時、アマゾンサイトのレコメンド表示は、購入した時の「確認画面」や「完了画面」が表示された時、コンビニやスーパーマーケットで買い物をしてレジで会計をしている時。

買い手がついつい買ってしまっているのは、まさに「お財布が開いている」その “ タイミング ” です。

これには買い手の「行動心理」が宿っている。人は、購入を決めた直後、心理的に「無防備な状態」になります。このタイミングで、購入した商品と関連性の高いものを提案されると、多くの人が「ついでに、買ってしまおう。」と思ってしまうのです。

この心理現象を「テンション・リダクション効果」という。

クロスセルを施すベストタイミングは買い手の「テンション・リダクション」効果を最大限に生かすことで成約につながる可能性は高くなります。

かといって、何でもお勧めしていい、というものではない。おすすめする商品やサービスに対して、買い手が「納得」できる商品やオファーが必要。

例えば、最初に購入いただいた商品よりもクロスセルをかけた商品の方が明らかに割高だと、「ついで買い」の心理は傾きません。明らかに安い商品やサービスでも、メリットがないとクロスセルの成功は望めない。

重要なのは、購入される商品やサービスに対して、あらかじめ事前調査し、クロスセルでおすすめできる有効な商品、またはサービスを決めておくこと。

紙おむつとビールの法則

クロスセルは、「お財布が開いている」そのタイミングがベストだといいました。

然るに、クロスセルを成功させるためには、買い物客の生活シーンを分析してみることでも「ついで買い」することはあります。

例えば有名な事例に、「紙おむつとビールの法則」があります。これは、家族の買い物に着いてきた父親が、子供のおむつの買い物のついでにビールを買う、という米国の大手スーパーマーケットのPOSデータの分析で明らかになっているとされている。

他にも、風邪を引いた人が、せき止め薬を買うついでに水分補給のために清涼飲料水や炭酸水を買い物かごに入れる。

お弁当と一緒にお茶、スマホケースと一緒に充電ケーブルなど、メインとする商品に関連する「ついで買い商品」は、顧客の生活パターンをリサーチしてみる事でまだまだでてきそうです。

最も手っ取り早く分析しやすいのが、レジ会計時の「レシート」です。帳簿をつけたあと簡単に捨てられてしまうレシートですが、まさに消費者の「ついで買い」を発見するためのヒントが記されていたりする。

リアル店舗なら、POSデータを分析できますが、個人のWebサイトでは、なかなかデータを収集し分析するのは難しいといえます。

大手のWebサイトや総合商品を扱う通販ショップなら「レコメンドツール」を採用するのもおすすめですが、専門店や小規模の通販ショップでは、データ量が限られます。

なので、小規模通販サイトがランディングページで関連商品を売るためには、説得力のあるセールスコピーと、その「タイミング」を第一に取り組むべきです。

「タイミング」を見はからうことで説得力は上がる

「クロスセル」とは関係のないことですが、タイミング繋がりで、「ついで買い」ではなく、「ついで話し」をしましょう。

上司のアドバイスが部下に響かない、子供に説明してもよく分かっていない、授業を学生が真剣に聞こうとしない、など「説得」してもなかなか聞いてはくれないことはよくあること。

このような、「聞く耳持たず」を招いてしまうのはなぜでしょうか?

共通していえるのが、“ 相手が受け入れる状態でない ”。つまり、「タイミング 」が良くないのです。

例えば、Aさんがこれから就職の面接に臨むとする。そこで、教育担当のBさんが、「とにかく第一印象だ。第一印象で決まるといってもいいくらいだよ。」というアドバイスをしても、Aさんにはさほどいいアドバイスをしてもらった、とは思わないだろう。

だが、Aさんが「いける!」と思っていた面接がダメだった後に、Bさんが「第一印象で決まるんだよ」と再び説明指導するとどうか?Aさんは、そのありふれたアドバイスでさえ、真剣に聞きいれ行動も変わるはずです。

つまり、アドバイス、説得、説明で最も相手が受け入れてもらえるタイミングは、“ 本人が失敗した直後 ”がベストタイミングといえます。

つづいて、次の事例をみてみよう。

Aさんは、人生初めて面接に挑みます。教育担当のBさんは、「第一印象が大切です。入室した直後の歩き方、おじぎ、着席までのほんの数秒で、面接官はこれまで受けてきた躾を見極めるのだよ。」と、アドバイスしたとしよう。

Aさんは、そのアドバイスがどれだけためになるかは理解不明なため、まともの受け入れてはいないが、とにかく言われた通り愚直にに対策を行った。実際その心配していた面接が成功したとする。

その直後に再びAさんに教育担当のBさんのが、「第一印象って大切だろ?」というと、Bさんの受け入れ度合と理解度は全然違っているはず。

つまり、アドバイス、説得、説明で最も相手が受け入れてもらえるタイミングは「失敗した直後」でもあり、“ 本人が成功体験した直後 ”もベストタイミングといえる。

クロスセルは、買い手に対する一つの説得でもあります。あくまで買い手が「ほしいからついでに買う」というものではなく、売り手のセールス内容と、その「タイミング」が最も重要なポイントなのです。